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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(怖)置いてきぼり

俺の友人が体験した怖い話


若い頃、友人達は夏恒例の肝試しにナンパした女の子達と共に出掛けたそうだ

まぁ怖い体験がしたくて行くというよりも怖がる女の子達と盛り上がりたくて行くのが目的なので本気の心霊スポットではなくちょっと前に見つけておいた廃屋と言うには新し過ぎる家に向かったらしい


怖がる女の子達はキャーキャー言いながら友人達にしがみついて来て盛り上がったらしい


後は街に戻ってカラオケとかしてその後は…と期待に胸を膨らませつつ車に戻ろうとしたら女の子の1人がまだ探検したりなさそうな事を言い出したので友人達は別のスポットへ


まさかお代わりをねだられるとは思わなかった友人達が向かったのは地元でも有名なガチの心霊スポット

先ほどとは違う雰囲気にノリノリな女の子はテンションが上がっていたがもう1人は怖さに寒気を訴える程引いていた


次のスポットに到着した友人達がいざ突入しようとしたのだが怖がっていた女の子はどうしても行きたくない!と懇願しだした

車に置いて他の面子だけで突入するのは流石に憚られたのだがノリノリの女の子は「あの子は怖がりでいつもこうだから車の中にいれば大丈夫」と言うので

友人達は一応車のエンジンを掛けたままにしておいて心霊スポットに突入する事にした


ひとしきり見学して戻って来たのだが残った女の子は3列目のシートに座ってうつ向いたまま動かなかったので一応声掛けをして車を発車させたそうだ


テンションの上がった友人達は3列目にいる女の子をおざなりに皆で盛り上がっていたのだが

余りにもその女の子が静かなので気になりだした


「ねぇ、大丈夫なの?」


と友人達が3列目にいる女の子に目線を移すとソコに乗っていた筈の女の子がいなかったそうだ


車内は大パニック、○○ちゃん何処に行ったの!?となって仕方なくさっきまでいた心霊スポットに戻る事になった

細い道をわーわー言いながら戻るとヘッドライトの先に泣きながらしゃがみこむ女の子の姿が映った


号泣していて要領を得ない女の子を車に乗せて慌ててその場を離れたのだが

車内では一体何が起こったのか分からず街中に入る迄皆無言になってしまったそうだ


カラオケ屋の駐車場に入って泣きじゃくる女の子を一先ず落ち着かせると友人達はとにかく置いてきぼりにしてしまった事を謝りさっきの経緯を聞いてみたそうだ


友人達が騒ぎながら心霊スポットに向かって直ぐに気持ち悪くなった女の子は外の空気を吸おうと思い立ち車外に出て休んでいたらしい


すると少しして友人達が騒ぎながら帰って来たので車に戻ろうとしたら友人達は女の子に気付く事もなく車に乗り込み直ぐ様走り出してしまった


真っ暗な夜道に1人残された女の子は恐怖にどうする事も出来ずその場で腰が抜けてしまい1人泣きじゃくっていると暫くして友人達が戻って来たらしい


じゃあさっき3列目に座っていたと思っていた女の子は一体誰?となった友人達はまたパニックになりその日はテンションだだ下がりで女の子達とも別れたそうだ


人づての話で要領を得ない話だしその真贋は分からない

でも心霊スポット近くに置いてきぼりを食らった女の子の気持ちを考えたら男の俺でも怖いだろうな、と思った

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