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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)家庭科の準備室


小中と卒業前の一年間、新校舎への建て替えでプレハブ生活だったのだが中学時代の旧校舎での話


田舎の中学校で生徒数も少なかったので旧校舎は木造平屋が渡り廊下で幾つか連なった構成だった

校舎の一角に技術室と家庭科や理科室がある建物があったのだが俺は家庭科の準備室が前々から嫌いで

ソコに近寄ると何故か悪寒が止まらないので普段は可能な限り避けていた


冬の寒い日だったと思う

午後一番の授業が家庭科の授業でやむなく渡り廊下を渡ってその建物に入ろうとしたのだが準備室の方から視線を感じた

渡り廊下側の窓に生徒らしき女の子が立って此方を見ていたのだが制服が見慣れない感じだった

一緒に歩いていた友人に尋ねるとそんなのは見えない、と一蹴されたのだが普段冷静な俺が動揺していたので

面白がって準備室に確かめに行く事になってしまった


普段から人の出入りがない準備室、イタズラを防ぐ為なのか南京錠で施錠されていたのだがその日は開いていた

「で、どこにいたんだよ?」と聞かれ「あの辺だった」と答えるのが精一杯だった

何故なら準備室とは名ばかりの物置状態で窓際に人が近寄るのも難しい状態、と言うか友人には見えていないのだろう

先陣を切って突入した友人の傍らにさっき見た女子生徒?が立っている


悪寒の原因はコイツか?とも思ったが気付かないフリをして友人達に「悪い、見間違いだわ」と早々に立ち去った

曰くも幽霊話も聞いた事がない準備室でたった一度だけ見えたあの生徒は謎のままだが

気付かないフリをしたのには訳があった

突入した友人の真横で彼女は友人に笑顔を向けていたから…知らぬが仏とはよく言ったものだ

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