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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)居酒屋の指定席

半年程前に友人の誘いでとある居酒屋に連れていかれた


その居酒屋は友人の知人が営む個人経営の居酒屋でアットホームな雰囲気で常連さんも多くいる様な良いお店だった


俺達は入り口近くのテーブル席で飲んでいて他にも奥には上がりの席が2つ程あった

その一角に何故かぬいぐるみが沢山積まれている場所があってずっとチラチラ見ていたらお店の主人が教えてくれた


「あー、あの席は○○さんの指定席なんだよね」


ん?指定席?指定席なのにぬいぐるみで塞いでんの?

と謎が深まったが主人は新しく来た客の応対で奥に入ってしまった


友人にその続きを聞こうとしたらヒソヒソ声でこう続けた


「あの席は○○さんって言う常連さんがいつも座ってた席らしいんだけど…今も出るらしいんだよね」


手が幽霊のジェスチャーをしたので察してしまった

要はその○○さんと言う常連さんは死んでしまったが夜な夜なこの店のあの場所にやって来てしまうのだろう、と。


それにしても何でぬいぐるみで塞いでいるのかが釈然としない

その理由を聞こうとしたら応対を終えた主人が戻って来て話をしてくれた


「前にね、彼処に座った別のお客さんが何回か怪我したりとかしたんで塞いじゃったんだよ」

…成る程、席を取られたと勘違いして祟ったりしてるのかな?

そんな風に考えていると友人が主人が奥に引っ込んだのを見計らって更に情報を追加してくれた


「噂なんだけどさ、怪我以外にもあったらしいんだよ」

「何かあったの?」

「前にあの場所に座ったお客さんにね、重なって見えたらしいんだ」


要はあの席に座ると亡くなった常連さんと座ったお客さんの姿が重なって見えた時があったそうで…

そりゃ気持ち悪い、という事でぬいぐるみとかを置いて座れなくしたそうだ


去年一杯で店は畳んでしまって今は無人となっているそうだが○○と言う常連さんは今もあの場所に座っているのだろうか?

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