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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(噂)雨の中に立つ爺さん

近年の豪雨でウチの近所でも決壊事故が何ヵ所かで起こった


中には川の側にある道路が土手の決壊と共に崩落し知らずに通った車が落下、下流で遺体となって発見されるという痛ましい事故も起こってしまった


規模が違い過ぎるとは言え東日本大震災でテレビの画面でしか見なかった光景が身近に起こったという事実に驚くと共に普段の防災意識の低さに気付かされる災害だった


さて、話はその災害に関するある噂になる


つい最近偶然出会った旧友ととりとめのない話をしていると

俺の体質(?)を思い出した友人がこんな話を放り込んで来た


「最近の災害で亡くなった爺さんが雨の日になると道端に姿を現す」らしい


眉唾物な心霊話なのだが何故か結構広まっていてその後も何回か別人に噂として聞かされた

この歳になってわざわざ突撃してまで確認する気力もないので聞き流していたのだが

幾つか噂を聞いている内に気になる共通点がある事に気付いた


話を聞いたのは友人だったり仕事の付き合い先だったりととても接点があるとは思えないのだが

亡くなった爺さんの服装が何故かほぼ一致しているのだ


薄緑の作業ズボンに同色のベスト、頭には紺色の帽子を被っているらしいのだがソコだけやけに描写が細かいのだ


多少の誤差や又聞きにより失伝していた話もあったが結構な確率で服装だけが一致する


昔、口裂け女や花子さんが流行った頃はネットもなく口伝なのに恐ろしい精度で全国にその姿が広まった

今なら画像はおろか動画付きで何時でも何処でも情報として引き出せるが


当時大流行して本やテレビで大々的に取り上げられる前の噂レベルなのに何故共通点が多いんだろう?と疑問に思ったのを思い出した


もしかすると噂の中に幾つかの真実が埋まっていてそれだけは正確に伝わっているんじゃないか?

そんな気がした話だった

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