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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)深夜の高速バス

大病を患う前は良くオークションで仕入れた車やバイクを現地に引き取りに行っていた


行き帰りの交通費を削減する為に努力したがある日東京から岐阜迄深夜の高速バスを利用する事があった


普段ならローダーを借りて行く距離ではあったがたまには、という事で乗った高速バス

格安の中でも更に格安チケットで乗ったのでなかなかに窮屈だと感じたのは横の乗客が大柄なオッサンだったせいもあっただろう


ともかく新宿から次の停車場所迄距離があるので水分を控え目にとにかく寝ようと努力したが

車内ではイビキをかくオッサンのせいで皆なかなか寝られない様子だった


途中何ヵ所かサービスエリアで休憩し、次の休憩で最後位まで進んだ時の事


疲れもあって漸くうとうとしかけた時に最後の休憩ポイントに着いたバスは運転手のアナウンスで車内が少し騒がしくなった


時間的には明け方だっただろうか、車内の照明が控え目に点灯したのを機に乗客が一人、また一人と降りていく


俺も一応トイレに行き外の空気を吸う

俺の乗って来たバスの周りには似た様な高速バスが数台とトラックが並んでいた


少し長めの休憩でボンヤリと他のバスの行き先等を見ているとバスとバスの間に変な動きをしている人影が見えた


幾らか離れた場所にあったからはっきりとは見えなかったがその人影はまるで自分が乗って来たバスが分からないかの様にあちこちのバスの入り口に行っては戻り別のバスに近付いては戻りしていた


休憩時間も短くなり俺は自分のバスに戻った

運転手のアナウンスと共にバスはゆっくりと出発する


窓越しに何となく外を見るとさっきの人影は未だにバスとバスの間をウロウロしていたが

その人影には足がなかった

というより下半身が透けた様に見えなくなっていた


何でそんな行動をしているのか気にはなったがバスはそのまま本線に戻りサービスエリアから抜けてしまったのでその後は分からない


何でバスの間を彷徨っていたのか、どんな思いがそうさせていたのかは俺には分からなかった


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