表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
42/441

(霊)火傷の痕


いつもはバイクで通勤していたが故障で仕方なくバスに乗り込んだ


その日は小雨が降っていて車内が混みあっていたせいか湿気でムンムンしていた

駅前のバス停で結構な人が乗り込んできて軽い寿司詰め状態になり滅入っていると

目の前で座っている女性のうなじが目に留まった


彼女は居眠りをしているのか俯いて揺られていたのだがうなじから火傷の痕があった

気まずいやら気になるわで心の中で葛藤があり、車窓から見える景色に目を移した


何ヵ所かのバス停を過ぎ車内も結構空いて来たので移動して座席に座ると

急な眠気に襲われて気を失う様に寝てしまっていた


どの位経ったろうか?

ふと目が覚めて辺りを見回すと人も疎らになっていた

と、正面から誰かの視線が刺さっている

「ねぇ、さっき私の火傷の痕見てたでしょ?」

え???

さっきの女性が何故か俺の座席の前に移動してこっちに話しかけてきた

状況が飲み込めずおどおどしていると「フフッ…」と笑って元いた辺りに戻って行った


ハッ‼っと目を覚ますとバスは相変わらず走っていた

夢か、夢だったんだ…

リアル過ぎて夢であった事に感謝しているとあの女性がこっちをジッと見ているのに気付いた

慌てて寝たフリをしてその場をやり過ごしたのだが最寄りのバス停を遥かに乗り越してしまった


駅名がつくバス停で下車するとバスはゆっくりと発車した

思わず車内を見てみるとあの女性の姿はどこにも見えなかった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ