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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)聞いたらダメ

新年明けましておめでとうございます

正月からこんなの投稿してたら危ない人ですが…予約投稿だからセーフ!(?)

つい最近霊が多くいた病院に入院していたのだがソコで知り合いになった患者さんから聞いた話がエグかったので記しておく


Aさん(仮)としておこう、Aさんはトラックの長距離ドライバーで東京から大阪、大阪から北九州の固定ルートを往復する仕事をしていたそうだ


大抵は空いている夜間走り朝方現地着をし搬入先の会社の近くで一旦仮眠を取って搬入、次の会社で荷物を受けてまた夜に走るみたいな生活をしていたそうだ


ところがある会社の近隣住民が仮眠トラックドライバーのマナーの悪さや一車線が埋まって危険過ぎる!と苦情を入れた事で近くの仮眠場所が消滅してしまった

そうなるとドライバー達はあちこち代わりの仮眠場所を探しAさんも少し遠いが此処なら迷惑にならないだろう、と思われる場所を見つけたそうだ


その場所はちょっと山あいに入った先にある元スーパーか何かの駐車場で近くには民家が少なく駐車場自体も広めで近隣住民のモノと思われる車も数台勝手に停めてあったのでまぁ大丈夫だろう、と思ったそうだ


その駐車場で仮眠する初日、Aさんは軽く晩酌をしようとコンビニで酒とつまみを買って駐車した

秋口で少し暑かったので虫が入らない程度に窓を開け寝台で晩酌をし酔いと同時に眠気が来てそのまま寝てしまった


どの位寝たのかは分からないが周囲の民家の明かりも消えカエルが大合唱していたらしいから恐らく深夜辺りだったのだろう

Aさんは尿意を催してポータブルトイレで用を足す事にした


禁止になった仮眠場所には近くに公衆トイレがあったのだがそのスーパーの駐車場付近にはそういう施設がなかった為だ

流石に車内でするのは気分が悪いのでポータブルトイレを持って車を降り荷台の陰で用を足していると

あれだけ大合唱していたカエル達が急に静かになったそうだ


突然静まり返る周囲に何だか不安を覚えたAさん、用を足すと逃げる様に車内に駆け戻った

寝台にゴロン、と横になり再び寝つく迄スマホを弄っていると


「ギリギリ…ボソッ、ギリギリ…ボソッ…」


運転席側の窓の隙間から何か変な音と誰かが呟いている様な声が聞こえて来たらしい


聞き間違いだろう、ときにせずスマホのゲームを続けていたらその音はどんどん大きく耳障りになって来てAさんは初めてソコで違和感と恐怖心を抱き始めていた


そもそもAさんがいる駐車場は潰れた店舗の駐車場で周囲にも民家は殆どない

なのにこんな深夜、Aさんのトラックにわざわざ近寄って文句を言う輩なんて大抵まともじゃない!とAさんは思ったそうだ


エンジンは切っているので窓を全閉にする訳にはいかない、鍵はちゃんとかけてある

なら突然押し入って来る事はないだろう、と判断したAさんは寝返りを打って運転席のは反対側を向いて無視する事にしたらしい


だが


ガリガリ…ボソッ、ギリギリ…ボソッ、という音は段々大きくなり姿こそ見えないが音を出している元に気付いたAさんは震えが止まらなかった


直接見た訳ではないが「ガリガリ…」は恐らく車の窓を擦ってる?引っ掻いている?

みたいな音でもしかしたらAさんの車が傷つけられてるのか!?

となり慌てて両側のドアガラスとフロントガラスを確認したが何も見えない


少しホッとして再び姿勢を戻して気付いた

ガリガリ、という音とボソボソ話す声はキャビンと箱の間から聞こえていたそうだ


Aさんはその異常さに聞いたらダメだ、と直感的に悟り耳を塞いでとにかく日が昇る迄ジッと耐えた


日が昇り車の往来も少し出始めた事を確認するとAさんは車を降り昨日音と声がしていた車両の隙間を恐る恐る確認してみたが…何もなかったらしい


結局その後は神経はいつも以上に張り詰めていたが無事仕事をやり遂げ以来同じルートを何回使っても何も起きなかったそうだ


最後にAさん、こう付け加えた


「潰れたスーパーの駐車場だとずっと思ってたんだけどさ、ソコ朝見たら隣の墓地の駐車場だったんだよね…それで祟られたのかな?」


…そうかも知れない

因みに墓地の駐車場だと分かってからは近寄りもしなかったそうだ

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