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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊?)認知症の患者さん

年末~年始連日投稿、頑張ってみます

予定では31日~来年三が日位をメドにしてます

最近入院していた病院は大きめの中核病院なので様々な病状の患者さんが入退院をしていた


時には認知症の患者さんが入院してきて何かを叫んだり暴れたりしてやむを得ず拘束されたりしていて他の入院患者さんからしたらなかなかカオスだったと思う


俺が入院してから数日後、ナースステーションの横の病室から人の名前を大声で連呼するおばあちゃんの声が廊下に響き渡った


「○○さぁーん、○○さぁーん‼」


その声は一日中続くので結構な数の患者さんがクレームを入れたりしたらしいがコロナの影響で別の部屋に移動させる訳にもいかなかった様で数日我慢を強いられた


数日後、その患者さんの大声が急に聞こえなくなった

もしかしたら…と思ったが一応対応出来る病院が見つかったので転院したそうだ


それからは普段と変わらぬ静か静かな病棟になり患者さん達もイライラしなくなったのだが変な噂が持ち上がって来た


例の認知症の患者さん、転院した日にちが他の患者さん達の覚えている日にちに相違があったのだ


ある人は数日前、ある人は昨日、一昨日と何故か揃わない

ソコを指摘すると全員が全員「間違える筈がない」と言う


入院していると暇を持て余すので身の回りに起こった事の日付は正確性が増すらしい


じゃあ何でそこまで確信を持って言えるのか?と聞くと


「あのおばあちゃん、その日○時迄ずーっと叫んでたから間違いない、煩いなーと思いながらカレンダーや時計をチェックしたから間違える筈がない」


という返事がかえって来た


うーん?俺が記憶してた日付とも違うし…気になって看護師さんに聞いてみた


「あ、あのおばあちゃんでしょ?4日前に転院したわよ」


俺もズレてたけど他の患者さんも違ってた

どう考えても一昨日位まであの叫び声が聞こえていたのにな…


それから1週間程して看護師さんが何気に話してくれたのはおばあさん、転院した先で亡くなったそうだ

この病院から転院した翌日に。


となるとあの声は何だったんだろう?

考えて答えが出る話じゃないけど多分無心に呼んでた思いが俺達に声を聞かせていたんだと思う

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