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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)ずっといる

お隣の県に異国情緒溢れる某施設がある


まぁそれほど頻度は高くはないがたまーに、数年に一度位は遊びに行く程度の所だ

一番最近行った記憶がとある事情で大規模なリニューアルをする前なので両手で数えるレベルでご無沙汰しているが今回はソコで見たモノを話そうと思う


当該施設は結構増改築を繰り返していてちょっとした迷路っぽくなっているのだが

入り口、更衣室等が入っている施設はかなり築年数が経っていたので古いなりに死角が多い


久しぶりに訪れた俺は昔の記憶との違いに懐かしがったり驚いたりしつつ更衣室に向かったのだが

出入り口側のロッカーが満杯だったので仕方なく奥に進んで空いているロッカーを探し始めた


水着に着替えて出入り口に向かい歩いていた時

通り過ぎたロッカーの列の奥に何かいたのを目の端で捉えてしまった


視えてしまうと気になるもので興味本位で少し戻って何気に視界に捉えた「何か」を確認してみると


一昔前の小学校で採用されていた野暮ったい紺色の海水パンツを履いた男の子がロッカーの扉に対面する様に立っていた


これだけなら普通に男の子が立っていたのを目撃しただけ、で済むのだがその男の子は何と言うか周囲の背景ごと「煤けていた」


別に焦げてたとかではなく感覚的にセピア色というかモノトーンと言うか…とにかく今の年代じゃない雰囲気を纏っていたのだ


これから水遊びする前に嫌なモノみちゃったなぁ…程度で見て見ぬフリをしつつその日は楽しく遊んで帰宅した


それから数年後、またその施設に遊びに行き様変わりした内装とかに再び驚いたりしながら更衣室へ。


で、空きロッカーを探してウロウロしていると…また視てしまった


ロッカーの配置が変わっていた上に記憶領域が1ビットしかないのですっかり忘れていたが

その男の子は同じ格好で立っていた


違いは体の向きが以前はロッカーと平行だったのだがその時は通路側に少し向き直していた


後ろ姿だったしわざわざ確認しに行って何かあったら嫌なので再び見て見ぬフリをして通り過ぎたのだが

長い間あの場所に立ち尽くしているなんて余程思いが残っているのかな?と少し同情してしまった


冒頭で話したがある事情で大規模なリニューアルをしてからは行ってないので施設がどうなっているかは分からないがせめて成仏してくれている事を願う


たまたま見たテレビでその施設をタレントが紹介している番組を見たので思い出した事を綴ってみた

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