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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(教訓)雨をナメたらダメ!

東京で1人暮らしをしていた頃、親戚の葬式が急に入り急ぎ地元に帰る事になった


とは言え仕事もあるのでその日は社長に断りを入れて自分のバイクで顧客を周りそのまま帰社するプランを組んだ


親しく付き合っている顧客に格好をからかわれたりもしたがとりあえず仕事を終えそのまま高速へ。


暫くは順調に走っていたが途中から雲行きが怪しくなって…とうとう雨が降ってきてしまった

時期は秋口、少し涼しいかな?と思える陽気だしそのまま実家に帰る選択をしたのだがそれが甘かった


雨脚はいつまでも強めで時間が経つにつれ体の体温が奪われていく

東京の天気しか見ていなかったから服装も軽装で防水対策なんか全くしていない


その内レバーを上手く握れなくなって深夜のパーキングエリアで少し体を暖める事にした


小さいパーキングエリアにバイクを停め、自販機しかない建物に避難する


濡れた服を着替えようとヘルメットに手を掛けるが…手が震えてアゴ紐が外れない!?

そう、当時は知らなかったが俗に言う「低体温症」になっていてヤバかったのだ


自販機の隣にあった洗面台みたいは場所でヘルメットのアゴ紐と格闘していると深夜なのに1台のバイクがパーキングエリアに入って来た


俺の奇行に訝しげな視線を向けるライダー。俺はなりふり構っていられなくて恥を忍んでお願いした


「す、すいません!ヘルメットの紐、外してくれませんか?」


雨脚の強い深夜のパーキングエリア、見ず知らずの男がずぶ濡れでヘルメットの紐を外してくれ!と懇願しているシチュエーションは逆の立場なら相当怖いと思う


そのライダーは訝しみながらも手伝ってくれて何とかヘルメットが脱げた

グローブとジャケットを脱ぎ上半身裸になってその場で着替えている間にそのライダーは立ち去ってしまったが

俺はその事にも注意が払えない程必死で着替えてホットの缶コーヒーで暖を取った


着替えと言っても雨具は持っていなかったからどっちにしても濡れたのだがあのパーキングエリアで休憩していなかったら途中で意識が飛んでいたかも知れない


ライダーの皆さん、たかが雨だからと言ってナメない様に

スリップも怖いけど濡れたまま走ったら俺と同じザマになるかも知れませんよ?

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