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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(怖)廃屋

寒くなりましたね

体調不良で入院してたんですけど「娑婆」との気温差に驚いたりしてます(苦笑)

けっこう前、知人を訪ねて山形某所に遊びに行った事がある


郊外と言うよりは山腹の途中にあった友人宅は冬場だった事もあり四駆でも登るのがキツい時もあったが

自宅に引き入れた温泉と地酒、料理でもてなしてくれてとても快適だった


ある夜、酔い醒ましにと家の前を通る道を1人散歩する事にした

道路は定期的に除雪されるのでその日は少し滑り易かったが普通に歩けて山道という事もあって人気も車も全くなかった


サク、サク、サク、と凍った雪を踏んで下って行くとポツリポツリと家が見える

まぁ山腹の道なので特に何かある訳でもないので何気にその家々を眺めながら下っているとその内の一件が目に留まった


その家は雪下ろしもしておらず建物は半壊、誰も住んでいない様子だった

(何で壊れたまま放置されてるんだ?)

と思いながら一旦通り過ぎ少し下迄下っていたら雪がチラつき始めたので友人宅に戻る事にした


サク、サク、サク、と下りて来た道を今度は登っていく


段々雪も増えて視界が悪くなって来たので足早に戻そうとしているとさっきの廃屋が見えて来た

行きでは気付かなかったが玄関口の方がもっと雪に押し潰されていて人は入れそうもない状態だった


「!?」


良く見たら潰れた玄関の横にある部屋に明かりが灯っていた

そんな訳はない。家に入るにはかなり積もった雪を掻き分けて入らなければならないし

そもそも半壊している様な所に人が住んでいる訳がなかった


気温のせいか寒気を覚えた俺は逃げる様に友人宅に戻るとさっき見た事を友人に話した

彼の話ではその家は子供達が独立してからは年老いた親が住んでいたが数年前、病気を期に子供の家に同居する事になってからは誰もおらず手入れもしなかったので雪の重さで潰れてしまったそうだ


翌日日中にその家を見に行ったがやっぱり家の玄関周辺は押し潰されソコに至る道も雪に覆われて人が入った形跡もなかった


あの夜、俺が見た明かりは何だったのだろうか?

もしかしたら住み慣れたわが家を懐かしんで年老いた親が帰って来ていたのかも知れない

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