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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
396/441

(人)損な役割

体調不良により投稿がストップしてしまい大変申し訳ありませんでした。。。


奇憚雑記、リスタートさせますので温い目で見守って頂けますと非常に助かります

友人の実家の菩提寺、ここの住職はちょっと変わっている


初めて会ったのは友人の親御さんの葬式だったかな?

葬式の後の通夜振舞いで突如霊の話をしだしたのだ


「昨日○○さん(友人の親御さん)が寺にやって来て友人を宜しく頼むって言われちゃったんですよ」


とかぶっ飛んだ話の切り口だったので知らない親族とかは呆れていたが知ってる人は(あー、またか)みたいな感じで流していた


そもそも通夜振舞いに参加する坊さんなんて初めてだったので友人にも確認してみるとこの住職は毎回ではないが結構残って霊の話をしだすそうだ


「普通お経読んだらさっさと帰っちゃうのにな…」


とか話していると住職がニコニコしながら俺達の下に歩み寄って来た


「あー、君は視えちゃう人なんだね?」


いきなり俺に向かって言い放ったので俺と友人はいざ知らず他の親族縁者からは奇人扱いされてしまった


俺に興味を持ったのか友人の親御さん(故人)に頼まれたからなのかは分からないがその後俺達の所から暫く動かず色々な話をしてくれた


折角なので何で俺が視えるのが分かったのかを聞いたら


「だって君の周り、縋ってる人(霊)がぞろぞろ憑いてるんだもん」


となかなかに怖い話をしだす


「あ、でも何もしなくても勝手に成仏してるみたいだから気にしないでね」


とか言われても流石に気持ち悪い


「祓って貰えないんですか?」


と聞いてみたらこれまたぶっ飛んだ返事が返ってきた


「ん?祓えなくはないけどそんな事したら俺の寿命が縮んじゃうからダメー」


何とも生臭坊主な回答だった


そんな事を言われたら気になって仕方ない

徐霊=寿命が縮む、というのはどういう事なのか聞いてみた


「うーん、上手く説明出来ないけど亡くなった人の魂を成仏させるのは俺達坊主の役割ではあるんだけどね、力がないとか不足してると自身の魂を削って成仏させる様な形になっちゃうんで出来なくはないけど早死には勘弁って感じなんだよね」


いまいち良くは分からないけど言ってる意味は理解出来たのでそれ以上は突っ込まない事にした


それからその住職とは今でも付き合いが続いている


お坊さんも頼られても自己犠牲を強いられるのは嫌だ、とぶっちゃけてくれた住職は生臭だけど正直で良い人だ

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