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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
385/441

(怪談)元タクシーの運転手

体調不良により投稿が遅れて申し訳ありませんでした

俺の知り合いに元タクシーの運転手をしていた爺さんがいる


爺さんは俺の馴染みの飲み屋にいつもいて気分が良いと現役当時に体験した乗客小噺みたいなのを話して皆を笑わせてくれていた


タクシーの運転手と言えば良く聞く霊を乗せたとかの怪談話があるだろう、と折りある毎に聞いてみるがそんなモノは無いと言う


まぁ全ての運転手さんがそういう体験をする訳じゃないだろうし本当にないんだろうなぁ…

と思っていたらある日「実はな」みたいな感じで話し始めた


爺さんが体調を崩して引退を考え始めた頃、同僚の運転手が変な事を言い出したそうだ

「最近空車で流していると仲間から良く合図を貰って困ってる」と言う


その合図とは乗客が乗っているにも関わらずメーターを起こさずに走っていると

対向車側から来た仲間がパッシングやクラクション等で(メーターの上げ忘れ)を教えてくれる合図らしく

こっちは本当に誰も乗せていないのにやられるので困っていると言う


そのタクシー会社は一台のタクシーを昼と夜、2人で乗り換えて乗務するそうで困っている運転手は昼間担当


特に思い当たる節もない事からもしかすると夜乗務のヤツが「何か」拾ってしまったんじゃないか?と言う結論に辿り着き、引き継ぎの時に聞いてみたそうだ


結果は「黒」でどうやら霊らしきモノを乗せてしまったらしい

地元にある霊園近くを流していたら客が手を上げていたので停車して乗せようとしたらいなかったそうで気味も悪いしそのまま慌てて発車したそうだ


2人は相談して車両をお祓いして貰う事にし、後日神社に行く段取りをして引き継ぎを終えたのだが

その日の夜、前方不注意のダンプに追突され車はぺしゃんこ

夜番の運転手も大怪我を負って引退を余儀なくされてしまったらしい


こんな話を持っているのに何で今まで話してくれなかったんだ?と皆に問い詰められると爺さんは気まずそうに理由を話してくれた

「だって…まだその話をしてくれた運転手は現役でどうやら霊はソイツに今でもくっついてるみたいだから」、と


彼のタクシーは今でも空車なのに誰かを乗せて市内を走っているのだという

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