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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(不明)霊感

20代の頃、東京に住んでいた俺は色んな分野の人と交流を持てた


その中に俺よりも霊感が強くていっそのことそっちで身を立てた方が稼げるんじゃないか?という人がいて今回はその人に纏わる話をしようと思う


行きつけの飲み屋で知り合った彼、仮にAさんとしよう

Aさんは出会った瞬間から強烈なキャラクターだった


当時30代半ばの彼は店に入って来た俺を名指しで呼んで


「あんた、視えるんだろ?」


といきなり宣言したのだ


その店でも一回も言った事もないのにいきなり言われて驚いたがAさんは客やマスターが釘付けになっていた事もお構い無しに俺の横に座り直して一方的に話しかけだした


突然バラされた俺は苦笑いしながらも話を聞いていたのだが彼の話す事は間違っていないのでその内に真剣に話を聞く体制になっていた


Aさんはただ視えたりする俺と違ってその人が過去に遭遇した霊の残滓(?)や先祖等の霊とかもバッチリ視えるらしく

途中から霊視大会の様になってしまっていた


常連客から偶然居合わせた一見の客、マスターやママまで一通り霊視をするとAさんは疲れた、と言って店を出て行った


帰り際に俺に電話番号の書いた紙を手渡してきて


「興味があったらここに電話して」


と言い残して去って行った


今考えると電話してもう少し突っ込んだ話や霊体験を味わっても良かったのだが手渡された紙に


「午後○時~○時迄なら空いてる」


みたいな事が書かれていて俺とは時間が合わなかった事もあってそのまますっかり忘れてしまっていたのだった


それから暫くして店のマスターからAさんの訃報を聞いた


彼は自分の死期が分かっていてのか世話になった人や関係者にお礼状みたいなモノを送って来ていたそうだ


内容を聞いたら


「そろそろ自分は身罷るので世話になったマスターとママ、常連さん達に感謝します」


みたいな内容が書いてあったそうなのだがマスターは俺にだけAさんからの言伝てがあると言い直した


「俺君は○年後と○十年後に大病を患う可能性があるから気をつけてね」


と書かれていて内心まさか、と思っていたのだがそれに近い年数で見事に胆石と今回の大病を患ってしまった


そんな事も分かっていたのか、と今さらながらに驚いているが当時もっと話を聞けていたらこの奇憚雑記も華々しい体験談が連なっていたかも知れない


そんな不思議なAさんとの話でした

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