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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(人)霊より存在が薄い人

この間とある電気屋に買い物に出掛けた


ワイヤレスのマウスが壊れて買いに行ったのだがついでにノートパソコンが陳列されているコーナーに足を運んだ


その店舗はパソコンコーナーの隣に家電コーナーがあり冷蔵庫や洗濯機が並んでいたのだが

店員の制服を着た背の高いオッサンが変な動きをしているのを目撃してしまった


その店員は客が一定の距離に近付くと等間隔で客を避け持ち場であろう家電コーナーの隅を早足で移動していた


何となく(接客が苦手なのかな?)(したくないのかな?)という心証を受けたが定年間近に見えるその店員に何故接客業に勤めているのか聞いてみたい程だった


そんな彼の動向が気になって何気に目で追っていたら彼が冷蔵庫→エアコン→テレビコーナーと移動していった


途中エアコンコーナーの所で客とぶつかりそうになり「あっ⁉」となったが客ではなく霊だった


何でソコにいるのかは分からないが結構ケバい人(霊)でこんな季節なのに毛皮を着ていたのと店員が気付かずすり抜けたので霊だと分かった位存在感があった


彼は霊とすれ違っても気付かず相変わらず客と一定の距離を保ち、しばらくするとバックヤードに消えて行ったが


そこまでしてその仕事に就く理由とかを考えたら気分が落ち込んだので手に持っていたマウスを買って家路についた


後日友人にその話をしたら彼は結構有名で「幽霊社員」などとアダ名がついているらしい


本物の霊より存在感のない生身の人って…と思ったが

ある意味普通の店員より有名だから逆に存在感はあるのかな


因みに意図的に彼を呼び止めて商品説明や質問をすると凄く嫌そうに渋々応じてくれるらしい


本当に何でソコで働いてるの?と思う希有な人の話

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