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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(動物)犬の散歩

これは俺の遠縁の親戚が体験した話、


彼の家は元々豪族だか庄屋だかの流れを組む旧家で広い敷地に母屋と離れが2つ、3つの蔵と堀がある様な正に「お屋敷」だった


家族揃って大の犬好きという事もあって数頭のアフガンハウンドを飼っていて毎日朝夕に散歩をさせていた


旧家なのに洋犬?というのはこの際突っ込まない


アフガンハウンドは体も大きいので当時中学生だった彼1人では散歩させる事が出来ず当時離れに住んでいた彼の叔母とペアで朝のみ担当していたそうだ


初めは引き摺られて生身ソリ状態になった事もあったが次第に慣れ手綱捌きにも不安がなくなった頃、

いつも通る散歩コースにある竹林で犬達が異常に興奮する様になったそうだ


その竹林も勿論彼の親所有の竹林、ただ放置しているので竹やぶと言った方が正しい位荒れているので彼も中に入った事はなかった


中に小動物でもいて興奮しているのかな?と思ったが犬達の興奮具合が日に日に増してとうとう耐える事が出来なくなって来てしまったそうだ


そこで彼は彼の両親にこの事を相談する


夕方の散歩は彼の家の使用人みたいな人がやっていたので両親は使用人を呼んで確認してみると確かにあの竹林で暴れるらしい


小動物なら大した事もないだろうが熊などが彷徨いていたら危ないという事で彼の両親は知人で猟友会に加入している人にお願いして竹林内の探査を頼んだ


探査当日、知人は2人程仲間を連れ立って彼の家族が見守る中、竹林に藪こぎしつつ入っていきーーー小一時間程で何もせず戻って来たそうだ


狩りを初めて見れると興奮していた彼の父は何もせず戻って来た知人に何事か?と問い詰めたそうだが知人は首を振ってこう答えた


「獣じゃねえ、人が死んでる」


それを聞いた彼の家族全員が「は?」となったが知人は確認しに中に踏み入ろうとする彼の父を留めて更に言った


「もう見るも無残な仏だから見ない方が良い」


結局警察を呼んで中に入って貰ったのだが警官が吐く位酷く腐乱していたそうだ


捜査の結果身元不明の自殺者だったそうで事件性はなかったらしいが

土地勘もない人間が何故こんな田舎の藪こぎしなければ踏み入れるのも困難な竹やぶで自殺したのか理由すらも分からなかったそうだ


もしあの時犬達の力に負けて引き摺られて行ったら腐乱死体とご対面してたかもな


と何度も聞かされた鉄板?ネタにうんざりしつつも苦笑いしたものだが

もし犬達が死体に辿り着いていたらどうしたんだろうか?

…もしかしたらモグモグタイムが?と考えたら背筋がゾッとする嫌な体験談だ

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