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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)川沿いの一本道

一昔前、隣県の友人に会いに行く頻度が多い時期があった


隣県と言ってもどちらかというと更に隣の県に近い場所だったので国道の様なメジャーな道を使って行ったらそれこそ渋滞で死にそうなので

俗に言う「知る人ぞ知る」裏道を使っていたのだがこれはその道で視た話


ある日の深夜、友人と別れいつもの裏道を使って帰っていた


その裏道は川沿いに伸びる一本道で信号もないからプロのトラックドライバー御用達みたいな道路で深夜でも車通りがある程度ある道だった


その日は運良く(?)トラックもなく快調に飛ばしていると川沿い定番の「もや」が視覚の前に現れ出した


霧ほどではないがもやが出ると必然的に速度を落とさないと危ないのでかなり減速しつつ運転していた


その日は水温が高かったのかもやは段々濃くなって濃霧になりヘッドライトの光は1メートル先の空中で乱反射している


そういう時はヘッドライトを消しフォグランプのみにすると霧の下を照らすので霧が晴れる迄のんびり徐行する


久しぶりの交差点で赤信号につかまりこのままのんびり川沿いの道を行くか、混雑覚悟で国道に出るか、を悩んでいた時だった


深夜、しかも濃霧の交差点をたった一人で渡る人影がフォグランプの光に照らされながら横切ったのだ


(え?もう3時過ぎてるぜ?)


その人影は足元しか見えないがどう見ても未成年~20代前半の女性、サンダルにホットパンツっぽい薄着だった


因みにこの道も交差している道も一キロ以上は民家も何もない


そんな場所を深夜、たった一人で歩いているなんて男だとしても薄ら怖い


左から右に結構しっかりとした歩調で横切る女性(の足)はそのまま右にあるガードレールをすり抜け消え失せた


(あー、視ちゃったか…)


気分は滅入ったが仕方ない、信号が青に変わった瞬間アクセスを踏み急いでその場を離れた


後日その交差点を通った時に確認したがやはりガードレールの先は川原へと続く土手で人が歩ける場所はなかった


因みにその道路は結構ひき逃げ事故が起こる場所で地元民もあまり徒歩や自転車では通らない、と後に聞いた

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