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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(祟り?)古い櫛


友人の実家であった話


彼(A)の実家は昔豪商をしていたとかで凄く立派なお屋敷だった


当時の権勢が敷地内に数棟建つ蔵に名残りがあるだけの旧家みたいなモンさ、と案内された時は母屋の大きさよりも蔵の数に驚いたモノだった


その彼の実家が近年の台風により被害が出て特に蔵の損壊が激しくて取り壊す事になったそうだ


雨風の被害を免れた品物を他の無事だった蔵に移していくのは業者任せに出来ない!というAの親の判断で仕方なく親類縁者をかき集めて片付けをさせられていたそうだが


その途中、江戸時代のモノと思われる服装品が出て来て一時片付けが中断する程だったと言う


漆塗りに金箔があしらわれた髪結い(?)道具や見事な刺繍が施された着物や反物が出てきてAの家の女性達の手が止まってしまって片付けが中断したというのが事実らしいのだが


Aの祖母の一言で気に入ったモノがあれば譲る、となったものだから片付けはその時点で延期になってしまったのだそうだ


その中に綺麗な櫛?時代劇に出てくる例の半円状の櫛があってそれを譲り受けたのがAの姪っ子だったそうだ


次の日から片付けは再開されて皆再び集まって作業を進めたのだがAの姪っ子だけが来ていない


聞く所によると体調を崩したらしく部屋で寝ていると聞かされたので皆はそれほど気にも留めず片付けを終了させた


Aが姪っ子のその後を聞いたのはそれから2週間後位だったそうだ


「姪っ子さ、あれから直ぐにおかしくなって今入院してるんだよ…」


そう聞かされた俺は「そうなの?」としか返せなかった

姪っ子さんがいたってのも初耳だし見た事もなかったから大した感情も沸かなかった


Aはそんな俺を見て更に続けた


「姪っ子ってさ、蔵にあった櫛を貰ってからおかしくなったんだよね…祟りなのかな?」


そう聞かれたがそんなの俺に聞かれても分かる訳がない


ただタイミングがタイミングなだけにもしかすると?って気持ちもあるがAも流石に不謹慎過ぎて姪っ子の親には祟りなんじゃ?とは言えずモヤモヤしているらしい


まだAからは姪っ子さんが退院したとは聞いてないから未だ入院したままなのだろう


もし祟りなら…不運としか言い様がない話だった

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