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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)逃げない


普段怖いと思う霊にそれほど出会わない俺も時にはヤバいのに出くわす事がある


あれは10年程前だったろうか


仕事の都合で都内のホテルに泊まる事になった

元々予定のない宿泊で週末だった事もあり満室の嵐で漸く取れたのは少し遠目のビジネスホテルだった


これはマイルールと言うか以前出会った霊能者の人に教わったので習慣となっているのだが部屋に入って直ぐに「柏手」を打つのが癖になっている


その人曰く淀んだ空間には霊が出易くそれを柏手を打つ事で清浄出来るらしいのだ


柏手は回数が決まっている訳ではなく思う様に音が響けば良し、響かない場合は清められてないとの事なので音が響く迄柏手を打つので同伴者がいると大抵ドン引きされる


この時も部屋に入り次第柏手を打ったのだが初弾が「パスッ」と言うか全く響かない感じになってしまった

まぁたまにそんなミスもあるのでそれほど気にも留めず再び柏手を打つが数回打っても掠った音しか出ない


(あれっ?)


と思って部屋を見回すとベッドサイドの窓際に何だかあり得ない位どんよりした塊があった


ちゃんと視えている訳ではなかったがどうもその存在が気になった俺は意地になって柏手を打つがどう頑張っても「パチ…」位しか響かない


こういう場合の対処法は1つしかない


空いている部屋があれば替えて貰うかそうでない場合は我慢をせずに諦めるか、だ


当然満室の嵐の末に見つけたホテルだから空き部屋なんて期待出来ない

本当はのんびりさせて貰う筈だったのだが無理して居座って体調崩しても碌な事がないので

泣く泣くフロントに降りてキャンセルして貰い満喫に行って仮眠をしたのだった


このルーチンにしてから危ない目に遭わなくなったので真偽の程は不明だが無理はしない様にしている


人にオススメする行為でもないし真偽が分からない以上誰に押し付ける気もないが

もし何処か新しい場所で何となく気持ちがザワついた時、試しに柏手を打ってみてはどうだろうか?


柏手を打ったのに響かない場合、もしかしたら霊が近くにいるかも知れませんよ?

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