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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)初めて見るタイプ


先日仕事の都合で遠方まで車で行く事になり気分転換も兼ねて下道でのんびり観光しながら前乗りをする事にした


大病後初めての遠出で不安はあったがその不安は暫くすると既に消えていた


ネット情報とナビを駆使し、効率的に観光スポットを巡り宿泊予定の街に着いてチェックインを済ませ今度はホテル周辺を散策してみた


わざわざ温泉宿を取ったお陰で周辺はそこそこ寂れた雰囲気のある良い街で存分に楽しめ

ホテルに帰ってから夕食を済ませ楽しみにしていた大浴場に直行した


そのホテルは露天風呂が特徴的で何と建物の屋上に露天風呂が設置されている


風呂からの眺望を楽しみながらのんびり浸かっていると恐らく会社の慰安旅行なのだろう

5~6人の男性がガヤガヤと洗い場に現れた


静かに湯を楽しみたかった俺は少し疎ましく思いながらも何の気なしに彼らを眺めていたのだが

彼らの1人がとんでもなく異常な行動をしている事に気付いてしまった


ワイワイと騒ぎながら体を洗う彼らの周りを1人だけ体も洗わず仲間の周りをクルクルと移動している


その1人が生きた人ではないのは直ぐ分かった

何故ならその移動スピードが半端じゃなく高速だったのだ


憑いている人なら何度か見た事がある俺も多人数の周りを高速移動している霊というのは初めて見たので思わず凝視してしまった


どんな理由があるのか分からないがその霊は洗い場から彼らが離れる迄その周りをクルクルと移動していて

結局洗い終わった彼らの内1人に憑いてそのまま内風呂に行ってしまった


彼らの内数名が露天に入って来て話し掛けられたのでついでに聞いてみるとやはり彼らは会社の慰安旅行で此処に泊まりに来たという事だった


これ以上突っ込んだ話を聞いたら不審がられるのでそこで話は終わったが結局俺より先に出て行った彼らに寄り添う様に霊は風呂場を出て行った


取り憑くにしても何でその前に高速移動していたのか、途中から1人にずっとくっついていたがそれは「こいつに決めた!」という事なのか


聞いてみたかったが結局聞けずに翌日ホテルを後にした


こういう場合、上手く不審がられずに聞き出す会話術とかあるのなら是非ご教授願いたい

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