表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
330/441

(人)天賦の才?


俺の後輩に「天性のヒモ」と誰もが確信する人物がいる


彼はいつも違う女性を連れ立って現れごくごく自然に奢って貰っていた


優男と言う訳でもなく二枚目とも言えないのだが彼と付き合う女性はほぼ彼のお財布として貢がされていて

俺達普通の男からすると(何で?)と思う事も多々あってある日どうしたらそんな状態に持っていけるのかを聞いてみたが本人はそういう自覚がないらしい


ある日その後輩がコンパの頭数が足りないとの事で俺ともう1人が呼ばれた


(おいおい、今付き合ってる彼女はどうしたんだよ?)


と思って訊ねたら既に飽きてきて次の女性を物色中との事。

本当に世の中の女性の敵か?と思える発言に呆れてはいたが折角なので彼の何に惹かれて女性がついていくのかを検証する事にした


彼が呼んだ女性達は少しチャラいかな?と思う程度の極普通の女性達、場所は居酒屋だった


自己紹介も済み適当に話も盛り上がりいざ別の店に移動、という段取りになった


「俺、金ないから」


((((へ?))))俺達と女性達は突然の告白に虚をつかれた


コンパに来てるのに無一文でやって来るとはなかなかに豪気なヤツだ

そんなんじゃ女性達からもドン引きされるだろう、と思っていたら


「もう、仕方ないなぁ~♪」


と女性の1人が後輩の分の金を財布から出し始めた


場が荒れるので仕方なく、ではなく出してあげるのが嬉しいみたいな表情で俺達は呆気にとられた


結局二次会のカラオケやその後寄った店でも女性の1人が全て後輩の飲み食いを立て替え、最後は後輩と共に帰って行った


残された、というか呆気にとられ過ぎて帰るタイミングを失った俺達と女性陣2人は狐につままれた感じでファミレスに寄って落ち着こう、みたいな流れになった


そこで気になって訊ねたのだが彼女達と後輩は今日が初対面でこのコンパ自体は後輩の友人がセッティングしたらしい


初対面の無一文の男、そして嬉々として貢がされてた彼女達の友人、お互い謎が多過ぎてそのまま解散となった


後日、改めて後輩に成り行きを聞いたが本人には貢がせるとかまるで自覚がないらしい


正直に金がない、と言うと最寄り(?)の女性がもれなくお金を立て替えてくれるらしいのだ


女性側からしたら(放っておけない)魅力?みたいなモノがあるのだろうか?

男の俺にはその魅力はさっぱり伝わって来なかった


結局その後輩は就職した植木屋の次女をゲットして今はその植木屋の跡目を継いでいる


天性の「たらし」というモノが存在するのか?

それは女性ではない俺にはきっと永久に分からない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ