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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)ファミレスの客


ついこの間の出来事


巷ではコロナ騒ぎで飲食店が閑古鳥状態になっているのはご存知だと思う


普段それほど外食はしない俺だが久しぶりにファミレスで食事をする事になって

近くのココ○に友人と出掛ける事になった


まぁ本当は馴染みの料理屋に出向いたらコロナ対策で短縮営業に変わっていて単に行き場がなくなってファミレスへ、の流れだったのだが


まぁとにかく店内に入ってみると午後2時を過ぎていたからか客は俺と友人の2人きり

時間的なモノなのかコロナの影響なのかは久しぶり過ぎて分からない


減光しているのか薄暗い店内に妙な寂しさを感じながらメニューを眺め早速注文を済ませた


久々のドリンクバーにちょっとだけ感動しているとトイレに行きたくなり席を外した


トイレに向かうとその辺りも減光しているのか若干暗い

その時はそれほど気にならず用を済ませ戻る途中で視てしまった


トイレを出て直ぐのボックス席に男性がテーブルに突っ伏している


それが霊だと気付いたのは透けていたとかいう訳ではなく多分このチェーンの制服を着ていた&その様子が生きている人の気配ではなかったからだ


内心(うぇ~…)と思いながら気付かないフリをしてその場をスタスタと通り過ぎ友人の待つ席に戻る


ただ残念な事に目線をトイレ方面に向けると丁度例のボックス席が見える位置なのに気付いてしまった


微妙な顔をしている俺に古くからの付き合いがある友人は即座に


「視たんだろ?何が視えてるんだよ?」


と訊いて来たので今視えている様子を正直に話す


友人は興味津々で後ろを振り返ってボックス席を見つめて首を傾げている


「視え…はしないがあそこだけやけに暗いな」


俺と付き合いの長い友人はいつの頃からか気配みたいなモノに敏感になっていたらしい


とにかく触らぬ神(霊)に祟りなしだぞ?と念を押して食事に集中する事にした


お互い久しぶりのファミレスメニューを堪能し、世間話も弾んでボックス席は気にならなくなっていた


そんなこんなで食事を済ませレジに向かう俺達

残念ながらレジの向こうには例のボックス席がほぼ正面に見えている


どっちが奢るで少し揉めて目を離した隙に「向こう」がこちらを察知したのかいつの間にか上半身を起こしてこっちをガン見していた


どうみても質の悪そうな奴だったので俺は急いで支払いを済ませると文句を言い出した友人を促して店を出た


結局霊云々よりどっちが奢るか論争に夢中になっていた友人はボックス席にいた霊の事はすっかり忘れていたらしい


帰り道で思い出した友人が色々訊いて推察を始めたが正解は結局いつも分からないのも分かっているので適当に流して帰宅した


どうしてコ○スの制服を着ていたのか分からないがここ最近では一番質の悪そうな霊だった


今後もしあの店を利用する事があるのならあの席は是非とも避けたい、と思った出来事だった

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