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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(怖)落下物


俺も1度怖い思いをした事があるが高速道路の落下物というのはかなり危険なモノだ


重いモノなら当然だが例えばトラックの荷台から舞い落ちたブルーシートの様な軽いモノでも後続車の視界を遮ったりすればそれは命取りになる事もある


この話はそんな事も分からなかった中学時代に聞いた話


陸上部の顧問が足を骨折したとかで入院となり、代理で若い先生が受け持っていた授業等を見る事になった


顧問が受け持っていたのは技術家庭のみだったので代理に立てられたとは言えそのスキルがない若い先生は

授業の内容を変更して映画を観賞させたりして時間を潰す事しか出来なかった


観賞も終わり終業まで時間が余った為、彼は俺達と世間話をする事にした


女子は裁縫や調理等の授業なので教室には野郎だけだったので下ネタや恋バナとかポップ?な話題が中心だった


そんなある日、流れで体験した怖い話を語るみたいな流れになり生徒側からも幾つか心霊話などが語られたが

最後に若い先生が語った話は知識の浅い俺達からしてみれば斜め上の恐怖体験だった


彼が若い頃、高徳道路を走行中に前を走っていたトラックからスコップが落下

そのスコップが後ろを走っていた先生の車のフロントガラスを直撃しあわや一大事!みたいな経験があったそうだ


スコップみたいな重いモノが飛んで来るとか想像が出来ない生徒達からは嘘だ作り話だと紛糾する事態となって

騒ぎを聞き付けた別の教室の先生が怒鳴り込んで来る程の騒ぎになってしまった


結局少し落ち着いた俺達に先生は「証拠」を見せてくれた


彼の左即頭部、ツーブロックにされた髪を少し持ち上げると

こめかみの少し後ろから後頭部に一本の縫合痕が走っていた


どうやらヒヤリ体験ではなく落下したスコップは彼の即頭部を掠めて車内に刺さったらしいのだ


翌日からその先生は一目置かれる様になり、受け持っていた全てのクラスにその話をねだられる羽目になったのは言うまでもなかった


それから数年後、トラックの荷台から落下した木材で死ぬ思いをした俺は時々その話を思い出す様になったのだった

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