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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(謎)台所の曇りガラス


この話は人なのか霊なのか結局分からなかった話


学生時代、友人のアパートに集まって飲み会をする事になった


友人のアパートは古い木造で道路に対して直角に建っていた


道路側から見ると入り口正面に二階へと昇る階段と一階の部屋に続く廊下?があり彼の部屋はその鰻の寝床みたいに奥まった行き止まり、

つまり一番奥の部屋が彼の部屋だった


他の住民達に気を使って静か各部屋の前を通り部屋の中に案内されるとソコには古めかしい部屋が待っていた


ただ友人が綺麗好きという事とユニットバスを後付けした時に多少リフォームしたらしく清潔感はある部屋だった


予定通り料理が出来る俺が台所を借りて酒の肴を数品目拵えていく


目の前にはプライバシー保護の為か古めかしい曇りガラスが広がっていた


適当に数品作り終え友人達の雑談に混じりながら酒を酌み交わす


どの位時間が過ぎたのかは覚えていないが皆結構酔っ払い酒の肴も尽きて来たのでどうしよう?と言う流れになったのだが

友人の一人がまだまだ帰りたくなさそうで他の皆も付き合って飲み明かす事になったので手分けして追加の酒を買ってくるグループとと肴作りを手伝うグループに別れて準備する事になった


当然俺は肴作りを任され冷蔵庫を漁って適当なツマミを作っていく

もう一人(部屋主)は空き瓶等の整理と配膳の担当だった


今度は肴が切れない様に多めに数品作り出来上がり次第友人に運んで貰う


何品目かを作り終え友人に配膳をお願いする為に声を掛けると台所に来た友人が突然「誰だ!」と叫び出した


大声にビックリして友人を見たがその視線は俺ではなく俺の背後にある曇りガラスを凝視している


(えっ?誰かいるのか?)


と後ろを振り返ってみたが誰もいない


友人にどうしたんだよ?と聞くとどうやら呼ばれて台所に来たら曇りガラスの向こうに人影が2つ、この部屋の中を覗き込んでいたらしい


慌てて外に飛び出して廊下を見るが誰もいない

勢いで道路に出てみたが人影はない


鰻の寝床&どんつき状態のこのアパートで友人の部屋の前を偶然覗き込む事はあり得ないので気味が悪い、となり肴作りどころではなくなってしまったのだった


十分ほどして酒を買って来た買い出し班にその話をしたがそれらしい人は見かけなかったそうだ


となるとこのアパート内の住人か?となるが夜勤の人が多いらしくいるとすれば隣の部屋の住人か二階の一人位しかいないそうで騒いでいたのならともかくわざわざ覗きに来る人はいないそうだ


思い出してみれば曇りガラスに映った人影は2つ、住人ではあり得ないそうだ


まぁ結局原因も分からず微妙な空気のまま飲み直しになって明け方迄飲み明かして解散となった


後日、昼間に友人の部屋を訪れたが彼の部屋の先は他の家の塀で塞がれ通り抜けなんて出来ない状態だった


結局あの人影は何だったのだろう?


生きた人間と幽霊、個人的には幽霊の方が怖くないな…と思った出来事だった

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