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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(人)全力で


小学生の頃、林間学校で県内の自然の家?とか言う宿泊施設に泊まった


日中はオリエンテーション、夜はキャンプファイヤーとお決まりの予定をこなし

残すは入浴と就寝のみとなった


男女別の大浴場をクラス毎に利用していくのだが入浴開始から30分程経った頃だろうか、


突然悲鳴とも叫びともつかないどよめきが自室で待機していた俺達に聞こえてきた


当然何事かと廊下を伺うと引率の先生達が必死に壁を作って大浴場の入り口を閉鎖している


多分入浴していたと思われる生徒達は入り口付近で濡れ鼠のままジャージを着て一塊になり震えていた


誰にも事実が分からず騒然となる中外から救急車の音が聞こえた


大浴場の入り口から担架に乗せられて運び出されてきたのは…

友人でも生徒でもなくスウェット姿のオッサンだった


救急車が搬送の為に出発した後当事者である生徒は食堂に、他は自室に戻された


混乱を更に拡げるのを防ぐ処置だったのだろう


その後食堂に移動させられた生徒達はバスに乗せられ帰宅の途についた


翌日、他の生徒には一応の説明と林間学校の中止が告げられ

昼前には全員学校へ戻りソコで解散となった


先に帰された生徒達はそれから1週間程度学校に来なかったせいもあって

学校中で憶測が飛び交っていた


1週間後、目撃した生徒達が登校して判明したのが

入浴中の男子生徒が窓の外に立つスウェット姿のオッサンを発見→皆で何事かと思っていると


オッサンが手を振りながら全力で浴場にダッシュしてきたらしい


当然外と浴場の間にはガラスがあり止まるか何かすると思っていたら全力で激突→

ガラスをぶち破って湯船にダイブした、という謎の修羅場だったらしかった


結局何だかうやむやになった事件だったが今ならPTSDとでも言うのだろうか


俺達の学年はその事件を境に結構な数の転校生を生み出しそれと共に後輩達には

とんでも展開な心霊話として語り継がれていったらしい

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