(事故)驕りは禁物
SUVが市場に溢れている昨今ではそれほど珍しくはないが
俺の若い頃には四駆乗りと言えばどちらかと言うとガチ勢が乗る車だった
二駆の奴が必死にチェーンを巻いている避難所を涼しい顔をしてスタッドレスで登っていくガチ勢は
スキー場に向かう途中の風物詩みたいな時期もあった
時代も流れ四駆が市民権を得た頃になるとガチ勢とは違う「ファッション四駆」勢が現れた
彼等は普段四駆を使う必要のない都会に住んでいるせいかどうも四駆を万能だと過信している向きが多かった
四駆だから雪道でも滑らない
四駆だからチェーンなんて必要ない
そんな甘い考えで上迄登ってはスタックしたり事故ったりしていた
まぁ半分やっかみが混じっているのは否めなかったけど
そんなある日、結構悲惨な事故があったと知らされた
当時はスキー場の民宿でバイトしていた俺も交通誘導にかり出され現場に連れていかれたのだが
どうやら凍結が厳しい深夜にコンビニだかファミレスに向かおうとした若者達が
案の定滑ってガードレールを突き破り谷底に落ちてしまったらしい
何とか片道通行が出来る様にして交通整理に当たっていたのだが
クレーン車に持ち上げられた車は見るも無残な姿になっていた
乗っていた若者達は先にレスキューに救助され救急車で運ばれたが数名は手遅れだったと後で聞いた
四駆だからと過信して普段通りの運転をしていたら命がいくつあっても足りない
そんな教訓を教えられた事故だった
因みにその後山形に於いてカウンターを当てながらドリフトしていくオバチャン軽自動車を目撃した時も軽いカルチャーショックを受けた事は余談だ




