表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
292/441

(事故)杉並木


俺の地元にはちょっと有名な杉並木(道路)がある

まぁバレバレだとは思うが江戸時代に東照宮に参詣する為に拓かれた道である


この杉並木、新道と旧道みたいなのがあって観光客等が通るのは開けた新道、

地元民等が指すのは旧道の方と何か微妙な感じになっている


まあ新道、旧道と分けたが本当は意味合いが違うのだが

とにかく今回の話題は旧道の方だ


旧道の方は餃子の町方面に向かう新道と違う方面に向かう寂れた道で個人的にはこっちの方が歴史を感じる道なのだが

いかんせん設計が古く石垣で道の両端が囲まれている為に他県ナンバーが通ると対向車にビビる位狭い


そして杉の寿命なのか砂山でやる棒倒しの如く土地を削ってしまったからなのかは分からないが数年に一度樹木が倒れる事故がある


倒木の瞬間に立ち会った事はないが噂では直撃こそないものの倒れた木があるのに気付かず突っ込んでしまう事故はあったらしい


大分前に倒木騒ぎがあった時に飲み屋でその話をしていたら見慣れない客が話に割って入って来た


「俺は危うく死にそうになった」


とうそぶくその客に皆胡散臭さを感じたが出来上がっていたその客は更に話を続けた


何でも10年位前に夜旧道を車で通っていたら突然目の前の杉が倒れて来たんだそうだ

だがその客はブレーキを掛けず、逆にスピードを上げて間一髪すり抜けたんだ


と武勇伝の様に語っていた


まぁ俺達は酔っ払いの戯言だろう、と相手にしなかったのだがその中で1人だけ何か引っ掛かりを覚えた客がいた


その客はその飲み屋の常連さんで土木事業所に勤めていた人なのだが

後日気になって調べたら何とも後味の悪い内容になった、とかなり後で語ってくれた


10年年程前、確かに倒木事故はあったらしい

その時運悪く1台の車がその倒木に突っ込み結構な怪我をしたらしい


そこまではまぁ良しとしてその倒木が調べによると少し普通の倒木とは違ったらしいのだ


確かに朽ちた上に強風に煽られ倒れたとなっていたが未確認ではえるが少し人為的に倒された疑いがあったらしいのだ


結局確たる証拠もなく普通の倒木騒ぎとして処理されたそうだが

その客の口振りにもしかしたら…と思ったそうだ


その客は一見でその後飲み屋にも現れていないし現れたとしても直に聞く訳にもいかないので確かめ様がないが


その話を聞いた俺達は何ともモヤモヤした気持ちになってしまったのであった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ