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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊?)製麺屋のおっちゃん


仕事繋がりではないのだが知り合いに製麺屋を営んでいるおっちゃんがいた


知り合う切欠は確か製麺屋を紹介してくれ!という別の知人からの依頼で

コネクションを使って辿り着いたのがおっちゃんだった様な気がする


初見から人の良さげな好人物で紹介した後も何かと友好を深める様になっていた


そんなおっちゃんの訃報が届いたのは数年前、丁度俺が入院している時で葬式にも参列出来ず

退院後改めて家に線香をあげに行ったら出迎えてくれた家族か涙ながらに当時の状況を話してくれた


早朝、仕事場で製麺途中に倒れてそれっきりだったらしい


俺も退院したばかりでフラフラしていたので逆に心配されたりもしたが最後に一言掛けられなかったのが悔やまれる


そんな彼の仕事場は道路に面してはいるが個人的に用事でもない限り通りがかる事もなく

おっちゃんが死んでからはその道も足が遠くなってしまっていた


それから数ヶ月後、別の用事でたまたま通りがかった為に彼の仕事場を見てみると電気がついて人影が中で作業している風に見えた


(あぁ、誰かが跡を継いで作業しているのかな?)


早朝でもあったしそんな感じでサラッとスルーして当日は終わったのだが後日おかしな話を聞かされる


「製麺屋のおっちゃんの職場は継ぎ手がなくて直ぐに取り壊されちゃったよ?」


俺が知り合いに先程の目撃談を話したら返ってきた返事がそれだった


「え?でも朝通りがかったら電気ついてたし人影もあったよ?」


「それ何時の話だよ?」


俺が目撃した日付にはもう既に更地にされていたらしい


結局見間違いという事で話は収まったがもしかするとおっちゃんの成し遂げられなかった念みたいなのが俺にそんな光景を見せていたのかも知れない


未だに更地のまま放置されているおっちゃんの仕事場を通りがかる度に不思議な気持ちになっている

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