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(怖)チゲ鍋
一人暮らしをしていた時の話
個人的に料理するのが好きで自炊をしていたのだがスーパーで食材を買っているとどうしてもロスが出てしまう
そこで考えついたのは友人達を誘って週一で宅飲みをする事だった
1人1品何か食材か酒を持ち寄る事。
これが俺の考えたルールだった
その時は誰かがキムチを、誰かが豚バラをと持ち寄ったのでメインはチゲ鍋に決定‼
材料を切って味付けをした後はマンガを読んでいた友人に火の番をさせ副菜を作り始める
この会も数回目となり皆和気あいあいと準備が進んで行く
「じゃあ頂きまーす!」
食卓に並べられたチゲ鍋等から湯気が出て美味しそうだ
「今日は焦がさなかったな」
実は前回汁物を焦がした奴に火の番をさせていたのだ
「同じ過ちは繰り返さねえぜ‼」
ニッコリ笑う彼の前歯は一本欠けていた
「ん?お前前歯どつした?」
「えっ?…あっ!?」
慌ててキッチンに走るがトボトボと戻って来る
楽しい筈のチゲ鍋パーティーが嫌なロシアン鍋に豹変したのだ
結局白菜を食べた奴の口から差し歯は発見されたがとても微妙な雰囲気になってしまった
捨てずに食べた勇気を誰かに誉めて貰いたい




