表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
267/441

(人)戦時中か?


最近出来たスーパーに様子見がてら買い物に出掛けた


某数字の有名チェーンだし近いエリアにも同じスーパーはあるので特に新鮮味もなく普段通り買い物をしてレジに並んだ


セルフレジで大量のオバチャンがバーコードと格闘していて渋滞が起こっていたので

久しぶりに普通のレジに並んだ


目線の下に何かチョロチョロしているので見てみると

俺の前でレジを通している親子連れの子供だった


お母さん(?)の精算が終わりその子もついていくのかな?と思いながら見ていたら

お母さんは子供を無視してさっさとサッカ台に向かって行ってしまった


(オイオイ、子供置き去りかよ?)


と思ったらどうやら親子ではなかった様だ


その子供は小さなガムか何かを両手で握りしめて立っている


「ボク、これ買うの?」


…コクコク


(ん?喋れないのかな?)


「じゃあ百円になります」


…ブンブン


「え?お金持ってないの?」


…コクコク


「えーっと…それじゃコレ買えないね、ゴメンね?お母さん連れて来て」


…ブンブン


「?お母さんと一緒じゃないの?」


…コクコク


「…ならお母さんと一緒に来てね」


店員とこんなやり取りをしているとその子供はターッ‼と出口に向かって走り去ってしまった


「…お待たせしました、すいませんね…」


店員は後ろで待っていた俺に一言詫びたが別に何とも思っていなかったので「大丈夫ですよ」と交わした


サッカ台に荷物を置いてビニール袋に詰め替えている時、ずっとさっきの子供の姿を思い出していた


薄汚れたシャツに半ズボン、良く考えたら彼は裸足だった


(そういや日本人でもなかったな)


思い出したのはこのスーパーの裏手にあるアパート群

いつの間にかアジア系外国人が沢山住む様になっていたあの一帯は最近治安が悪化しているらしい


(放置されてなきゃ良いな…)


と思ったが干渉するのは傍迷惑なのでずっとモヤモヤしたまま帰路についた


俺の子供時代でも見た事がない程の姿に彼の今後の幸せを少しだけ願ったのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ