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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(怖)気配①


皆さんも普段何もない、誰もいないのに何かの気配を感じて振り向いたりする事はあると思う


これはそんな良くある気配の話


中学時代、学校の登下校でどうしても我慢出来ない場所があった


国道沿いにある墓地なのだが通る度に誰かに見られている様な…何かがいる様な気配がしてとても気持ち悪かった


部活がない時は他の道を使って帰宅するのだが部活の帰りは友人と話しながら帰るのが習慣となっていて避けて通れなかったのだ


ある日、部室の整理で遅れた友人を待つ為にその墓地の前で立っていた


(…どうせやる事もないから「気配の元」を探してみるか)


そう思い普段ならなるべく見ない様にしていた墓地の中を何のあてもなく眺めていた


夕暮れ時で奥迄は良く見えないが何となくこんな立地なのに寂れた感じがする


枯れた花、風化(?)した供物、部分的に生い茂る雑草

道路に面した生け垣越しに見える墓地の中は少し荒れていた


(別に寂れてるだけで何もないな)


そう思って視線を国道側に戻したら…目の前20cmもない距離に作業着姿のオッサンが立っていた


勿論生身の人じゃない


「うおっ!?」


当時まだ背が低かった俺の視線は目の前のオッサンの胸辺りを見ていたが流石にその距離に突然人(?)がいたらビックリする


変な声をあげたが直感で(見上げちゃダメだ)と思いそのまま目線を固定した


何秒経ったかは分からないが目の前のオッサンは少しすると俺を通り越して墓地の生け垣を抜けて行った


いつも感じる気配(視線)がそのオッサンのモノかは分からないが多分何か知らせたかったのかも、と後から思えばそう感じる


当時はそんな冷静に推測するとか出来ずに驚かされた事に腹が立って翌日家から塩を持って来て生け垣付近に撒いてやった


そんな墓地がつい最近風景が一変した


道路に面して目隠しにもなっていた生け垣がある日突然消えていたのだ


車で通りがかってその事に気付いた俺は凄く驚いたが更に不思議な事に気付いた


中学時代に生け垣越しに見たその墓地は体育館位の敷地に墓石が沢山建っていた記憶があるのだが

生け垣がなくなったその墓地は墓石が10基位しかなく道路に沿って並んでいるだけだった


記憶違い?規模縮小?と考えたが隣接して建っている奥の家は数十年は経過していそうな古い家で最近どう、とかいうレベルではなかった


記憶違いというのも無理があるしあの時見ていた墓地は一体何だったのだろうか?

それとあの作業着のオッサンは成仏出来たのだろうか?


通りがかる度にふとそう思う

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