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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)急カーブで急ブレーキ


若い頃は暇を持て余して友人と突発的に遠出したりしていた


ある日喜多方ラーメンを食べに行こう!と言う話が持ち上がり早速車に乗り込んで出発した


ガイドマップに載っていたラーメン屋は生憎休みだったが代わりに寄ったラーメン屋が当たりで舌鼓を打った後、少し観光して帰る事になった


会津城が思ったより広くて時間が掛かり帰りは夜中になってしまった


貧乏な俺達は高速なんて怖くて使えず下道で帰ったのだがソレは帰りの山道で起こった


夕食も食べたお陰で車内は運転手と俺だけしか起きておらず運転手もヤバそうだったので

次のコンビニで運転を交代する予定がなかなか見つからず何処かに停車して交代するか悩んでいた


多分県境を少し越えた辺りだったと思う


「あっ‼やべっ‼」


ギャギャーーーッ‼


運転手が急に叫ぶとハンドルを切って急ブレーキをかけた


急カーブでブレーキを掛けたため車は反対車線まで膨らんで縁石、というかガードレールギリギリで停車した


車内は急操作で寝こけていた友人達も左に飛ばされあちこちぶつけて目が覚めた様だ


「痛てて…何だよ⁉」


助手席で寝ていた友人が頭を打ったらしく額を抑えて怒っている


「…轢いちゃったかも…」


「?何を?」


「…人」


そりゃヤバい!となった俺達は一斉に車外に飛び出して人の姿を探した


だが道路にも脇にもそんな姿はなく首を傾げながら戻って来ると助手席にいた友人が運転手に怒鳴っている


「ぶつかったのならバンパーに傷なりついてるだろ‼寝ぼけてたんじゃねえのか⁉」


自分は真横でグースカ寝ていたのに棚上げ毛布甚だしい


「おい‼お前ぇもナビ役すっぽかして寝てたんだろ‼偉そうに説教してんなよ‼」


後部座席にいた友人が正論をかましたお陰で険悪なムードが流れたが

運転手はそれどころじゃなかった様だ


「…おかしいな?確かにいたのに…」


険悪ムードから小突き合いに発展しつつあった奴らを放置して俺は運転手のケアをしようと詳しい話を聞き出した


話によると見通しの悪い急カーブを曲がっていた最中突然男性が目の前に現れたそうだ

慌てて急ハンドル急ブレーキで避けたが彼の耳には「ドンッ‼」という鈍い音まで聞こえたそうだ


「…でも誰もいねぇよ?何かと見間違ったんじゃね?」


と運転手を慰めた


良い切欠にもなったので罰として助手席で寝こけていた友人が継いで運転をする事になったが


帰りの道中どう思い返しても轢かれた人は いなかったのだ


モヤモヤした終わりだが確かめる術もなく念の為にニュースも出来る限り見ていたがひき逃げ事件は1つも報道されなかった


結局あれは寝ぼけた末に見た幻覚だったのか霊だったのか

未だに分からないが俺は知っている


急カーブに設置されたカーブミラー付近に白いモヤが掛かっていた事を

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