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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)臨終間近


病院等医療従事者が臨終の場に立ち会う機会に霊を見た、という体験談を良く聞く


俺はそんな場面に出くわすのは身内や深い付き合いをしていた人達位しかないので

実際そんな現象にあった事は一度しかない


祖母の臨終間近に病室に駆けつけると冷たくなりかけた手足を擦りながら泣いている身内の後ろで祖母の霊がその光景を見つめていた、と言う体験一度きりだ


たまたま看護師に知り合いが出来てその話をする機会があったのだが

やはりごく希にそういう場面に出くわす看護師もいるらしい


天井近くに浮かんでいる者、俺の体験の様にひっそり後ろから眺めている者、

幸いというか残念な事に話を聞いた本人は出くわした事がないそうだが

その手の話は沢山聞くらしい


その中で凄く後味が悪い話、という前置きをされてから聞かされた体験談は聞くだけでちょっと胸糞が悪くなったのを覚えている


病院でも高い部類の特別室、臨終を迎えた患者の周りには号泣したり涙を堪えた身内、親族が囲んでいたそうだ


そういう場面は何度も見ている看護師でもやはり心中穏やかにはなれず何とも言えない気持ちでその光景を見守っていたそうだ


呼吸数も心拍数も落ち、そろそろ…と言った所でその看護師は見たそうだ


患者の頭上に凄まじい表情で身内を見下ろすその患者の霊を


怒り、恨み、悲しみ、それら全てが混じった様な憤怒の顔は確実に身内達に怒りを向けていたそうだ


その後直ぐにその患者は息を引き取ったそうだが


エンゼルケアを施す為にご家族達に退室を求めて少ししてから待合室でその家族の醜い遺産争奪戦が大声で繰り広げられたそうだ


亡くなった方もそれを知って死んでも死にきれない気持ちを霊になって出て来ても身内にぶつけたかったんだろうけどやりきれないよね…


そう言われて何だかしんみりしてしまったのを凄く覚えている

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