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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊?)引っ越し


小学生高学年の頃、よく遊んでいた友人が親の転勤にあわせて引っ越す事になった


引っ越し作業に子供は邪魔だったらしく友人は朝から家を追い出されこうして遊ぶのも最後だろう、と言う事で俺達と一緒に遊ぶ事となった


親同士で何か話し合いがあったのか友人は俺の家で昼食をとり

午後は午後で学校の校庭で渡り鬼など当時流行していた遊び等で楽しんでいた


日が傾き他の友人もボチボチ帰る中、引っ越し作業が終わったらしく学校まで友人の親が迎えに来たので俺も帰ろうとしたら


友人の親が俺の親に持って行って欲しいモノがあるから、と結局俺も友人宅へ行く事になったのだった


「じゃあ(俺)ちゃん、ここで待っててね」


そう言われて玄関先で待たされている間、蛍光灯も取り外され薄暗い廊下をただボンヤリと見つめていた


友人宅の間取りは玄関、玄関横に和室と奥のリビングに続く廊下、右手には二階に上がる階段があったのだが


友人の親がパタパタと走って行った廊下の先、キッチンがある方の入り口から女の子がヒョイ、と顔を出していた


友人には幼稚園位の妹がいたので


(あぁ、妹が珍しくてこっち見てるのかな?)


程度にしか見ていなかったのだがその反対側、リビングの方から友人の親が急いで紙袋を持って走って来た時には姿が見えなくなっていた


「じゃあこれ。お母さんに持って行ってね」


中身は分からないが恐らく今日のお礼だったのだろう


慌ただしいが友人家族はこのまま引っ越し先に向かい学校への挨拶などは後日改めて来ると言われた


戸締まりをして門扉に鍵をかけ、友人家族が乗った乗用車を見送る事に。


「じゃあ(俺)、また連絡するよ‼」


湿っぽい話は苦手だったので二言三言冗談を言い合うと「それじゃ。」と手を振った


(あれ?何か忘れて…あ。妹!)


俺は出発しようとする車を止めて妹さんが家の中に残ったままだ、と伝えた


「あはは、(俺)君。○子(妹)はね、引っ越しに邪魔だから幼稚園に預かって貰っちゃってるのよ?」


と言われた


じゃあさっきキッチンから覗いていた女の子は誰だったんだろう?


俺はずっとその事を考えながら帰宅したのだった


結局友人の挨拶は後日授業の合間に行われ大した話も出来ずに疎遠になってしまったので

あの日見た女の子の正体を聞けずじまいになっている

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