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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(動物)山道


数年前、親しい友人達に誘われクロカンの真似事にハマった


車で未舗装の場所を走ったり道なき道を越えていく遊びなのだが

それほど本格的ではなくジムニーや軽トラを改造してクロカン仕様にした車両で野山や川原に挑戦するのだ


災害に強いジムニーの称号は伊達ではなく普段使いには乗り心地がイマイチでも未開の地では頼もしい


何しろ失敗して横転しても笑って起こせるコスパ最強の車両である


そんなある週末、普段よりも更に奥地を制覇しよう!と言う事になり数台でとある山を目指した


目的の岩場に着く迄には軽トラ1台がギリギリ通れる位の未舗装道を小一時間上らなければ到着しないらしく


途中崩れた道等に警戒しつつ慎重に進んで行った


30分ほど進んだ頃であろうか?

お互いの車両は無線で連絡を取り合っていたので安全マージンを取って少し車間距離を開けていたのだが


突然先頭車両がバックするのが見えた


「おぃ!バックして来てるぞ?」

「土砂崩れでもあったか?」


等と話していると10mもバックしない内に車は停車し、フロントから水蒸気が上がった


「…オーバーヒートか?」

「まぁとにかく行ってみようぜ」


2両目の俺達は念の為に工具や水を持って先頭車両に近付いて行った


直ぐに先頭車両に乗っていた友人達は車から降りて来たので無事は無事らしい


しかし降りると直ぐに車のフロント部分に向かい何かを話している


「おーい‼何があった?」

「メンテ不足なんじゃねぇの?」


等と声を掛けつつ近付いて行くと先頭車両の友人達は苦笑いしている


「おい、何で笑ってんの?」


と俺達が車両に近付くと車の前部分が事故にでも遭った様に凹みラジエーターから水蒸気が噴出していた


「何じゃこりゃ?木にでも突っ込んだか?」


と聞いたが違ったらしい


「猪だよ、突っ込んできた」


何と先頭車両が徐行速度で進行中、目の前に猪が現れたそうだ


初めは近付けば逃げるだろう、と思っていた猪は余程縄張りを死守したかったのだろう

先頭車両に向かって突撃して来たらしい


慌ててバックしたが結局間に合わず衝突

車は大破、猪はそのまま何処かに走り去ってしまったらしい


何たるパワー、何たる頑丈さ

(ジムニー)と喧嘩して走行不能にし、そのまま消えてしまった猪


まぁこのままでは目的地に行く訳にも行かずその日は応急処置をして下山する事になった


読んでいる方は山道で猪に出くわす機会なぞ万に一つもないだろうが

もし同様のシチュエーションに遭遇したら少し覚悟した方が良いかも知れない


「野生の獣は思ったより硬い」


無駄な情報と共に今回の話はここでおしまい

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