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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)謹慎


高校の修学旅行、実はある事情で行けなかった


怪我でも病気でもなく旅行の1週間前位に停学を食らうという間抜けな理由だった


修学旅行中は学年全員不在になる訳で謹慎中の俺は学校に登校して反省文を書く羽目になった


教室には勿論学年のフロアには誰1人おらず非現実的な静けさの中、時間を潰していると

何処かの教室で「ガターン‼」と何かが倒れた音がした


(誰もいない筈なのに何だ?)


と見張りもいないので教室から出て音がした方向に行って原因を確かめようとした


2つほど教室を通り過ぎ3つ目か4つ目の教室に差し掛かって胆を冷やした


どういう理屈でそうなったかは分からないが教壇の机?が前方に倒れて壊れていた


(え?どういう事??)


と俺が犯人にされてもつまらないので職員室に先生を呼びに行こうと踵を返した時


後ろからその壊れた教壇の机が「ガタガタ‼」と机を押し退けて動いている音がした


誰もいない教室で動く机、俺は振り向く事をせずに一直線に階下の職員室に走った


結局フロアに1人いた俺が暴れて壊したという疑いを掛けられ危うく退学になりそうになったが


数日後何故か騒ぎ自体が揉み消された形で終息した


修学旅行も終わり後に俺の停学も解けクラスメイトからはからかわれたが


謎だけが未解決のまま残っていたので後日担任にその疑問をぶつけてみた


何故教壇の机が独りでに動いたのか、何故俺の仕業と誤解されたのにうやむやにされたのか?


担任の口は重かったがしつこく聞いたら漸く事態を教えてくれた


以前からあの教室では怪異が度々起こっており例えば夜警備員が見回ると


教室全ての机が逆さまになっていたりしたりしたそうだ


この前例から俺は晴れて無罪放免になったのか?と聞いたら違うと言う


更に問い詰めると「あのな、これは誰にも言うなよ?」という条件で真相を教えてくれた


「お前が見た倒れたって言ってた教壇の机な、後から見に行ったら人間じゃ絶対無理な力で天井に刺さってたんだよ」

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