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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(人)前の乗客


電車嫌いな俺もどうしても、となれば仕方なしに電車に乗る事はある


あれは出張で東北に出向いた時の事


流石に車で行く訳にもいかず新幹線に乗り込んで一路仙台を目指した


只でさえブルーな気持ちを何とか奮わせる為に駅弁とビールを買い込み乗車し

幸い(?)隣の席も埋まる事がなかったのでいつの間にか寝落ちしてしまっていた


何となく居心地の悪さに目覚めたのは何処か大きめの駅を通過した辺りだった


…ん。…ん?えっ!?


何気に前の座席の背もたれを見た俺は窓と背もたれの間から顔が覗き込んでいるのに気付いた


恐らく四十台位の女性が隙間から俺をガン見しているのだ


(…何だコイツ?気持ち悪い…)


確か前の停車駅まではいなかったから途中で乗って来たのだろう

その女性はいつからこっちを見ていたのだろう…


そう考えると何だか余計にそら恐ろしくて居心地が悪い


とはいえ別に俺が悪い訳でもないので開き直って仙台駅で下車するまで平静を装って普通に過ごした


まもなく到着するというアナウンスが聞こえたので早めに席を立ち出口に移動したのだが


同じ様に気が早い乗客がその女性を見て「うわっ!?」と声をあげていた


座面に正座して背もたれ側に顔をつけてる人なんて初めて見たがあるあるなのだろうか?


これ以降電車嫌いが更に加速したのは言うまでもない

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