(謎)地吹雪
東北に彼女が居た時の話
個人的にどうしても時刻に縛られる電車が嫌いで一度新幹線を乗り継いで言った時に精神的に参った
それからは車で会いに行く様にしていたのだが
東北の冬は雪が真横に降るのを初めて体験した時は本当にビックリした
看板でもないのに畑に板が並んでてそれが「風(地吹雪)避け」だって聞いた時も驚いたな
そんなある日帰りが遅くなって夜に山形を出発しないと翌日の仕事に間に合わない事態が起きた
外は吹雪いていたから彼女も止めたのだが次の日の仕事はどうしても抜けられないから、と半ば強引に出発した
街灯も疎らな道は地吹雪のせいで殆ど視界が利かない
下手をすると縁石で吹き溜まりが出来てて突っ込むと脱出不能になるので本当に慎重に運転していた
「チッ、道路の境目がわかんねぇよ…」
地吹雪でヘッドライトの光も30cm位しか照らせず道は境目が見えない、縁石吹き溜まりがあちこちに出来てる
早く高速道路に乗りたい心境だったが閉鎖されてると来た
最上川辺り迄行けば多少は変わるかな?とトロトロ運転していると
突如前方に人影が現れた
「うぇあっ!?」
多分こんな変な声をあげたと思う
人家もない様な畑ばかりの道でその人は地吹雪をものともせず立っていたのだ
雰囲気的に此方に助けを求めている風にも見えなかったしこっちも見えない道を必死に進んでいたのでその内に通り越してしまった
月山とか所々通行止めになっていたので必死に下道を通りやっと高速に乗れたのは朝だった
途中パーキングエリアでコーヒー休憩を入れて落ち着いて考えたら違和感に漸く気付いた
(すれ違った人って…どっちだったんだろう?)と
生きていたら命の危機を感じる位の地吹雪だったし
霊ならまぁ気まずくはないよな…
と思いながら帰って来た思い出




