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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(人)祭りの後で


ちょっと特殊な祭りなので多少ぼかすけど俺の地元には1月の終わりにお祭りがある


街の中心部を通行止めにして縁起物の屋台とかが並ぶお祭りで中にはおでんやもつ煮などの軽食が出来る屋台も並ぶお祭りだ


最近は世間の事情を鑑みて少し様変わりしてきたが昔は深夜迄屋台が開いていたので

へべれけに酔ったオッサンが潰れて寝ている事も少なくはなかった


祭りの中心地近くに親戚が住んでいた俺は子供の時から1人でその祭りに行く事も多く


屋台の人達とも顔見知りになっていたので色んな食べ物を貰ったりして毎年の楽しみの1つでもあった


小学校6年位の頃、いつもの様に1人夜の祭りの雰囲気を堪能していつもおでんをくれる屋台に行くと


簡易的に設けられた席の奥で1人のオッサンが酔いつぶれていた


まぁ特に珍しい光景でもないし絡まれるのも嫌なので入り口付近で店の人と話をしていると

案の定そのオッサンは近くで飲んでいた客に絡まれだした


さっきまで酔いつぶれて突っ伏していたとは思えない位の剣幕に店の人達が堪らず追い出して騒ぎは収まったのだが


俺が帰った後再びそのオッサンは店に来て暴れたらしく警察に連行された、と後で聞いた


翌年例年通りおでんの屋台に顔を出すとお店の人はいつも通り優しく迎え入れてくれたのだが

その年は胸糞の悪いニュースも飛び込んで来た


去年店で暴れたあのオッサンは警察に連行された後解放されたらしいのだが

どうやら帰り道で転んだらしくそのまま亡くなったらしい


店の人が何故それを知っているかと言うと見つかった時に傷だらけだったせいで

事故か事件かの判断がつかず念の為に関係者として警察が事情を聞きに来たらしいのだ


「まぁこんな商売やってるとたまにこういう事もあるんだよ」


と苦々しい顔をしていたが俺も迷惑客の最後を聞いてむかついた


酒は飲んでも飲まれるな


飲めない子供の頃から聞かされたこの言葉は死んでしまった迷惑客と共に深酒を戒めるトラウマとなって俺の中で生きている

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