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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(事故)スノーボーダー


俺がスキー場の近くの民宿でバイトしていた時の話


昼間は暇なので片手間でインストラクターもしていたのだが

当時流行り始めていたスノーボーダー達の横暴ぶりが問題になっていた


スキーヤーもいない事はないのだがボーダー達は新雪を求めて直ぐコース外を滑り出す


巡回して発見出来ればその都度注意したり出禁にしたりしていたのだが流石に間に合う訳もなく

酷い時には連日の様に怪我・遭難・喧嘩が起きていた


ある日の夕方、インストラクターの待機部屋に応援養成が入った


5人組のボーダーがコース外の沢付近へ侵入して行き帰って来なくなっているらしい


通常の業務ではレスキュー達で間に合うのだが手が足りない時はインストラクターや関係者も駆り出される時があってそういう時は大抵がヤバい時だった


コース外に外れ雪庇を踏み抜いて崖から落ちたとか頂上からコースほ反対側に滑って遭難したとか自業自得なのだが助けない訳にはいかない


結局ナイターの客達に不審に思われない様にスノーモービルを軸にして20人程がバラけて捜索する事になった


5人組と同じグループで捜索以来してきた仲間の証言でコースを外れた場所は分かっていたので一旦そのコース自体を滑降禁止にする


スノーモービルやライトの明かりを頼りに付近を照らすが跡は見えても人影が見えない


危なくない範囲で探しても見つからず結局その日は二次被害を鑑みて翌日捜索する事になった


捜索隊がレストハウスに戻って来ると依頼者達とスタッフが揉み合いになっている


「アイツ等を見捨てるのかよ‼」

「凍死したらどうするんだ‼」


みたいな事を喚いているが身勝手にも程がある


運営側は看板、ロープ、張り紙等で散々警告しているにも関わらずそれらを押し退けて迄侵入しているのに


喚いたり泣き叫ぶ依頼者達を何とか宥めて宿に帰らせる頃にはもう深夜になっていた


翌日早朝地元の消防とレスキュー、何人かの有志で捜索を再開し午後には運良く全員を発見出来たが残念ながら2名は凍死してしまった


遭難のあらましは死んだ2名が調子に乗って仲間達の制止を振りほどきコース外に侵入


後を追った3人が沢にある崖下に転落している二人を発見

コースから大分離れているのと圏外の為に助けも呼べず日が暮れて身動きも取れなくなったそうだ


レジャーで楽しみに来ていたのに死んでしまったのでは家族も友人も報われない


皆さんももし新雪の誘惑に駆られたら思い止まって欲しい

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