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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)スタジオのキジマさん


高校生の頃、年上のバンドマンに誘われてバンド活動していた事がある


帰宅部だった俺は授業が終わると真っ先に駅まで向かい家とは反対方向の電車に飛び乗り

駅で待ち合わせしてスタジオ練習して帰宅するという生活を送っていた


この話はそのスタジオで噂されている「キジマさん」という心霊現象だ


キジマさんは実在していた人でパートはギター。

何でもメジャーデビュー目前のちょっと有名なバンドに所属していたらしい


ただ残念な事にスカウトした芸能事務所はベースとボーカルが欲しかったらしく

ボーカルはこのままデビューに拘り辞退したがベースが口車に乗って抜けてしまったそうだ


ベースが抜けたそのバンドはギクシャクした雰囲気から抜け出せず少しして解散

その話を持ってきたキジマさんはずっと後悔していたらしい


そんなキジマさんの訃報が届いたのはベースが某アイドルのバックバンドとしてデビューして少ししてからだった


スタジオでもバイトしていた事もあるキジマさんの死は少なからず衝撃的なニュースとなり利用者達でも暫く話題にのぼっていたが時が過ぎるにつれ沈静化したそうだ


事件が起こったのはその頃から


レコーディングに変な音が入ってしまう、と苦情が来たのが始まりだった


スタッフが音源をチェックすると確かに時々変な音が入る


機材の故障かハウリングか?と色々チェックしたがどうにも原因が分からない


異音が混じるのは毎回ではなく利用者もバラバラだったので何か悪さをしている訳でもない


数ヶ月後、スタッフがある事に気付いた


利用者や楽器のせいではなくある特定の楽曲を演奏すると「それは起こる」のだと


その曲は例のキジマさんのバンドがコピーしていたバンドの楽曲で半信半疑ながらもスタッフとオーナーは盛り塩とかお供えとかして供養したそうだ


果たしてその異音は聞こえなくなり利用者達もその噂は忘れていったそうだ


俺がスタジオに入って盛り塩に気付いて思わず質問攻撃した事で掘り起こされたスタジオのキジマさんの怪だったとさ

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