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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)余命


二年前の誕生日に命に関わる大病を患い入院した


幸い手術は成功し、予後も多少の不具合はあるモノの少しずつ回復してきている

普段病気病院何のその、な生き方をしてきても我が身に病が降りかかれば少し調べたりする


ネットや記述に踊るのは術後の生存率や合併症、所謂(余命)についてだった


退院して衰えた体を労りながら行動に移したのは「断捨離」だった

もし、万が一の事があっても残された者に迷惑が掛からない様に余分と思われる物は処分した


こんな終活をしていると物置や書棚、引き出しから懐かしい物品が色々出てくる


中でも目に止まったのは中学生の頃の集合写真だった


何処の川辺で10人程でバーベキューしている姿が写っている


その中で端に写っている俺と隣にいた女の子の足元が消えて写っていない


その代わりに赤い光の手?の様なモノが斜めに走っていた

何か気持ち悪いので当時一緒にいた悪友に連絡を取って見て貰う事になった


退院後初の居酒屋には心踊ったが食も細くなり少しの酒で酔ってしまい少し残念な思いがした


早速写真を見て貰うと悪友達は皆一様に驚いている


俺の隣に写っている女の子は何年か前に事故か何かで他界しているらしく


同じ様に足元が心霊写真な俺も何かあるんじゃないの?と冗談めかして騒がれた


この期に及んで洒落にもなっていないのだが余命云々はまだ伝えていない


気になるのはその亡くなった女の子だが身内は既に地元を離れているらしく詳しく聞けなかった


悪友づたいに同じ写真を探してみたが散り散りになった面子の行方を追う程の体力はなかった


結局このまま謎として封印せざるを得なくなったが折角なのでオカルトめいた遺言と共に

木箱にでも入れて遺しておこうかと思っている

好きな輩にはさぞ魅惑的に映るだろう。これが俺の最後のイタズラだ

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