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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)廃車置き場


ウチの周辺には数こそ少なくなったが解体屋が数件あって素人にも部品を売ってくれていた


友人が飛び石被害でフロントガラスにヒビが入ったらしく数人で交換する事になった


先ずは交換するガラス探し、解体屋を数件回るが同型の車両が入っていなく難儀した


いつもは寄らない少し離れた解体屋を訪れたのは結構日が暮れてからだった


「すいませーん」


事務所で声をかけると作業場の方で「はーい」と返事が聞こえた


「あれ?○○?」


作業場から出て来たのはどうやら友人の同級生らしい


久しぶりの再開もソコソコに早速目的を伝えると偶然にも該当車両が入庫していた

しかも数日後には潰す予定らしい


そりゃ大変と頼んでセルフ解体を開始した


俺以外は解体屋巡りは手慣れていてガラスの取り外しも専用工具等を駆使してあっと言う間


車両の窃盗団かと思わんばかりのスピードで外していく


車両を観察してみると廃版になった貴重なパーツが満載で装着されておりガラスの他も剥ぐ事に


エキマニやら何やらと外すともう周りは真っ暗、同級生の計らいで投光器を借してくれた


同級生が帰って来た社長に話してくれて夜も作業OKになり一旦腹拵えをした


改めて作業を再開したのは午後9時を回っていただろうか


取れるモノも粗方取り外し積み込みも済ませ一服タイムとなった


何気に置き場の車両を眺めているとある軽自動車に目が留まった


事故で左半分が潰れ後ろも潰れている所を見ると追突か何かだろうな…と推論を重ねていると運転席に人の顔があった


ほぼ全員に見えていてビックリしていると友人の同級生が


「ああ言うのはたまにあるんよ」


と普通に答えてくれた


車の墓場だけに事故車も沢山ある、中には死亡事故を起こした車両も。


突然の事故で訳が分からず死んだドライバーはまだ運転してる気でいるんじゃないかな?


とサラッと言う友人の同級生はこの段階で皆のヒーローだった


その同級生が解体屋を辞める迄何度もお世話になったがそこの解体屋で霊を見たのはそれ一回きりだ

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