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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)通夜の席 & (霊)お葬式


先週同級生が癌で亡くなった


通夜振舞いの時に友人達と


「俺らも同級生見送る年齢になったんだなぁ…」


としみじみ話していると


「だな」


と誰かが返事した


途端に全員が後ろを振り向いた


その声は死んだ同級生の声とそっくりで全員自分の後ろから声が聞こえたからだった


俺は横たわってるソイツの所に行って「今晩は飲み明かそうな」と手を合わせた


ーーーーーーーーー


葬儀繋がりでもう一話。


この年になると親類縁者や知人の葬儀に参列する事も多くなる


希に亡くなったご本人が式場にいる事も。


ちょっと切なかったのはある会社社長さんの葬儀


年を取ってから出来た再婚相手との子供を残して病気で他界してしまった


命が残り少ない事を自覚していたから余程残していく家族が心配だったのだろう、

喪主の席に座る奥さんと父親の死が分からない幼子をずっと見つめていた姿は印象的だった


そんな悲しい光景とは真逆の怖い場面も当然ある


友人の父親の葬儀で物凄い怒気を孕んだご本人がずっと友人の母親を睨んでいた


その場ではその意味も分からず友人に言うのも憚られるので黙っていたが


母親は喪があける前に新しい男性と同棲を始めてしまった


ああ、あの時の怒りに満ちた表情はこういう事だったのね?

と思ったがこればかりは友人にも周りの人にも言える事ではないので今此処で書き捨てておく


この2つは何となく(存在)した理由も分かるのだがもう1つは何とも謎というか手を貸してあげたい目撃談もある


葬式の間中ずっとキョロキョロしていた知人の父親。

彼は散歩の途中倒れてそのまま亡くなったのだがどうやら自分の死に気付いていない様だった


自分の棺の周りや家族の周りに現れてはずっとキョロキョロしているだけで全く理解が出来ていなさそうだった


霊になった訳ではないから「あっち側」の見え方は分からないがもしかすると葬儀自体が見えていないとか

若しくはまさか自分の葬儀だとは思っていなかったのかも知れない


憔悴している知人に運転を頼まれて火葬場迄付き合ったのだが焼き場でもずっとキョロキョロしていた


いつの間にか視えなくなったが無事に成仏出来たと思いたい

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