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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(天罰)軽トラの荷台


知人(S)から聞いた話


もう10年位前、夜軽トラを運転していたそうだ


山合のど田舎、田畑と雑木林が続くいつもの道。狭い道ながらも慣れた道でつい油断をしていた


ある辻に差し掛かった時、

つい確認もせずに侵入したら突然真ん中に人らしき影が現れ轢いてしまった


「しまった‼」


Sは急停車して轢いてしまったであろう人を助けようと辻まで駆け戻った


が、幾ら探しても人はおろか動物すらいない


気のせいか?と思って車に戻りフロントを見ると確かに何かにぶつかった痕跡は残っている


小一時間辺りを探しても誰も何も見つからず仕方なく家に戻った


次の日、凹んだフロントを直して貰う為販売店に電話をした

販売店は近所の農機具店なのですぐ様子を見に来てくれた


「Sさん何処でぶつけたんですか?」


と聞かれて素直に何処何処の辻で…と話していると農機具屋が「うわっ‼」と声をあげた


何事かとSが軽トラに近づくと荷台を見て閉口している

Sも釣られて荷台を覗くと…


ソコには首がもげたお地蔵様が転がっていたそうだ


軽トラの形状から考えても跳ね上げて荷台に転がる訳もなく道の真ん中に地蔵がある訳もない


農機具屋を連れ立って辻に行ってみても地蔵が納められていた道端の社は傷一つない


不思議さよりも気味が悪くなったSはその足で寺に向かい地蔵の供養と修繕を頼んだそうだ


社も新造するなど懇ろに供養したせいかSの身に不幸が訪れはしなかったらしいが


修理をし、売りに出した軽トラは噂ではほどなく事故で廃車になったらしい

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