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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)盛り塩


確か専門学校時代の話


休み時間にたまたま心霊話で盛り上がって今度何処か心霊スポットでも…という流れになった

そんな中、実は今住んでるアパートに夜な夜な「出る」ので困ってるというタイムリーな話が出て

なら出る場所で酒盛りしよーや、となりその夜勢いでその友人宅に集まる事になった


その友人は女性だった為男女混合で総勢6人、八畳のワンルームで鍋を囲んで心霊現象を待った

ワイワイ騒いで飲んで潰れる輩もチラホラ出だした頃、家主の友人が急に挙動不審になった

天井の隅をキョロキョロと見回している


俺「どしたん?」

家主「聞こえた?ほら、天井の方からギシギシって音してるでしょ?」


確かに耳を澄ますと「ギシギシ」というか「キシ…キシ…」という摩擦音が聞こえてくる

これだけじゃ上の階の住人の生活音かも知れないので

「んー、これが幽霊か?って言うと微妙じゃね?」

と言い終わるか終わらないかのタイミングで

家主「これが聞こえてくるとお風呂の水が勝手に出るんだよ」

と恐ろしい事を言い出す


「シャー…」え?水の音だ

不安がる家主と俺、あと一人が恐々と風呂場に行くと…カランから水が出ている

「ガチやったんかい」

どうやら心霊現象が起こってるのは本当だ、と起きているメンバーは確信した


そこで潰れていない面子で議論を重ねた結果一人の友人が

「盛り塩すれば良いんじゃね?」

と言う案を出し、家主が早速朝になったら買ってやってみるという事で宴はお開きとなった


数日後、家主から俺に内々で相談があるとの事で呼び出された

俺もその後が気になるので放課後ミスドで待ち合わせして話を聞くと盛り塩をして以来

風呂場の水だけじゃなく人のうめき声みたいなのもずっと聞こえていて眠れないと言う

そりゃそうだ、と言う俺に食い気味に「え?何で??」と問い詰めるから

「そりゃ今まで部屋を自由に行き来出来てたのに風呂場に閉じ込められたら腹も立つやろ」

家主には視えてなかったみたいだけど風呂場のカランから水が出ていた時、

薄い緑の作業服を着たオッサンがカランの近くで座ってこっちを睨んでいた

怖いから視えないフリでやりすごしたのがそこでバレて奢らされたのは悲しい思い出

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