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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)テキ屋のジンさん


かなり昔、居酒屋に良く来ていた常連さんの中に元テキ屋のオッサンがいた


一応説明するとテキ屋とはお祭りとかに出てる露店商の事ね


全国各地を回って商売をしていた彼の話は流石客商売のプロだけあっていつ聞いても面白楽しい話ばかりだった


そんな話の1つに「テキ屋のジンさん」という話があった


別にジンさんというテキ屋の武勇伝でも何でもなくジンさんは引退後病気で亡くなってしまった元テキ屋の人だそうだ


テキ屋のショバ(場所)割は今はどうだか知らないが前は元締めが事前に割り振った場所に屋台を置いて売をしていたので

ハズレを引くとその日の売り上げに大きく響くそうだ


でも時々ハズレを引いたテキ屋が何故か客足が伸びて結構な売り上げを叩き出す日があって


そういう時には必ず「テキ屋のジンさん」っぽいオッサンがそのハズレを引いた屋台に現れるそうなのだ


「ジンさんは生前後進に良いショバを譲って自分はハズレで黙々と売してた良い人だったんだよ…」


飲みながら話すテキ屋のオッサンは嘘を言っている様には見えず

まぁそんな良い話なら真贋なんか突き止めなくても良いじゃない、と言う雰囲気になってジンさんに献杯した


それから中心部から離れた所で屋台を開いているテキ屋を見ると必ずジンさんの話を思い出す様になった

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