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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(謎)解体屋の廃車置き場


趣味が車弄りなので知り合う友人もそんな奴等が必然的に多くなる


新品を買って来てポン付けには当然満足出来ないからその内に休みの日に集まっては解体屋巡りが当たり前となっていた


産業廃棄物処理法の改定により多くの解体屋が潰れ、代わりに中東系の経営する怪しい解体屋が幾つか現れた


この話はそんな中東系の経営する解体屋での体験談


その日もいつもの様に工具箱を車に積んで新しく出来たという解体屋に数人で出掛けた


解体屋でも素人を歓迎してくれる所とそうでない所があって後者の方が多いのが現状だが


着いた所は日本人の奥さんが快く承諾してくれて先ずは一安心。


早速使えそうな車両探しから始まった


「あの車のデフはレア物だな」

「バラすか?ジャッキは持って来てるしフォーク借りられれば上から降ろせるぞ?」


等と品定めをしていると先を歩いていた友人が1台の車の前で固まっていた


「…あれ、血だよな?」


廃車処分になる車だから当然事故車も置いてあるし座席周辺に血痕がついているのも珍しくはないのだが


その車は何故かトランク付近に血がついていた


「…ちょっとヤバい車じゃね?」


ぶつかった形跡もない綺麗なトランク部分に付いた血痕

もしかすると曰く付きの車なのかも?と思った俺達は興味津々でその車のトランクを開ける事にした


車内のトランクオープナーはワイヤーが切れているのかスカスカだったので工具箱からバールを取り出し

こじ開けようと力を込めた春期


「オマエタチナニシテンノ!」


と怒号が後ろから聞こえて来た


どうやら此処の主が戻って来た様で片言で怒鳴られた様だ


俺達は奥さんに了承を得た事を話したが取りつく島もなく追い立てられる様に出口に戻された


「モウコナイデネ!」


さっきの日本人の奥さんとは大違いの反応にイラついたがそこまでお宝があった訳でもなく諦めて他の解体屋へと足を向けた


その解体屋は開店したばかりだと言うのに数ヶ月もしない内に更地になったと後から聞いて


「あの車とか…やっぱり曰く付きだよなぁ…」


と語り合ったが証拠も何も既に消えた後だった


結構ヤバかったのかな?

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