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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)買い物途中


今は取り壊されショッピングモールに建て替えられてしまったが街中に某ハトのマークのキリの良い日にバーゲンをやるスーパーが建っていた


当時は郊外にモールもなく買い物客でそこそこ賑わっていて夕方ともなれば生鮮売り場は主婦達で賑わっていた


何かの拍子で母親の買い物に付き合わされる事となり運転手兼荷物持ちとして同行した日の事


同じ売り場を行ったり来たりしている母親をうんざりしながら待っていると


視界の隅に違和感を感じた


視線の先にいたのはカートにかごを乗せバッグを腕にぶら下げたごくごく普通の主婦だった


だが結構な時間が経つのに微動だにしない。と言うか生きてなかった


彼女は何もない壁を向いたままずっと立っていた


もしかするとソコには昔商品棚があったのかも知れない


横を通り過ぎる子供連れの主婦や杖を衝き衝き買い物を楽しむお婆さんが通ろうがただただ立っていた


変に刺激して憑かれても困るので俺も見なかった事にしてその日の買い物を終えたが


暫くしてその女性を思い出し、再び売り場に行ってみるともういなかった


何の思いが残ってソコにいたかは知らないが彼女の寂しそうな横顔だけは未だに覚えている

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