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『奇憚(きたん)雑記』  作者: とれさん
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(霊)待合室


五年ほど前、ガッツリ体調を崩し不安を覚えて地方の大学病院を受診した


この際だからある程度検査をして貰おうと思ったのだ。


診察を受け血液検査やMRI、レントゲンや何やらをこなすのだが何せダルくて仕方ない


各科をヨロヨロと渡り歩き待合所に着くとベンチに腰掛け俯いて順番を待っていた


検査も終盤になり後は検査結果を聞く為に受診した科の前のベンチで俯いていると


小学生になったかならないか位の子供がキャッキャしながら待合所を駆け回っている


(うるせぇな…親は何してんだよ…)


具合が悪くて顔を上げるのもしんどい


注意する気力もないので内心イライラしながら静まるのを待ったが一向に騒ぎが収まらない


(早く呼ばれないかな…)


俯きながら更に体調が悪くなるのを堪えていると急に子供の騒ぎ声も周囲の音も聞こえなくなった


(?)


おかしいとは思ったが顔を上げる事も難しくなっていた

その直後


ガッ‼っと両足首を誰かに掴まれた


えっ?と思い目を見開くとさっき騒いでいた子供であろう、

小さい子供が椅子の下から上半身を出して俺の足首を掴んでいた


(おいおいおいおい⁉)


もうこうなると注意しない訳にはいかない


残りの気力を振り絞って身を起こして即、その異常さに気付いた


座っていた椅子は診察室の壁に沿って設置されており子供と言えど垂直に体を出すスペースがない


「…ってあれっ?」


この場所は診察室の前ではなかった


放射線科に向かう途中の廊下で何故待合所と間違ったのかも分からない程薄暗かった


動揺した所を見計らった様に足首を掴んでいた子供は満面の笑みをしながら消えてしまった


そこから目の前が暗くなって次に気付いた時には受診台?で寝かされていた


笑われるだろうしその時の事は先生にも言えず受診を終えたが帰宅して足首を見ると


手の跡とは言い難いが何かに強く握られた様に内出血が残っていた

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